金子兜太選 海程秀句」鑑賞 作者名索引

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作者名
地域
番号 
前川弘明 長崎 花街の落書の蛇赤かりき 428号 32
前川弘明 長崎 桃の種小学校の庭へ投ぐ 430号 31
前田典子 三重 宮司老い背負はれ来たる山開き 427号 31
前田典子 三重 蝶一双水のひかりを縒り上ぐる 436号 28
前田典子 三重 狐出てまぶしき青葉しぐれかな 437号 30
前田典子 三重 鶏をさばく母若かりき八月くる 448号 30
前田典子 三重 渡りきて四日目ほどの鳥の貌 460号 31
前田典子 三重 まむし草漢ふたりが見せに来る 465号 30
前田典子 三重 黄菊白菊どのバンザイも嫌ひなり 470号 37
前田典子 三重 川底の真冬の空のちからかな 473号 32
前田典子 三重 あわてざる風格に蛇すすみゆく 475号 30
前田典子 三重 黒牛に下弦の月のにほひかな 477号 36
前田典子 三重 高僧に母霧に山肌在りにけり 479号 30
前田典子 三重 透きとほる葱よ齢とるうれしさよ 481号 31
前田典子 三重 死者生者どちらがかなし茄子の花 488号 31
前田典子 三重 秋立つと萬金丹をこぼしけり 489号 33
前田典子 三重 八十八夜卵ほのかに翳りゐる 496号 31
前田典子 三重 鯖ひらく晩年の未知ひらくごと 498号 33
前田典子 三重 帰省子の凭れてゆきし柱かな 499号 33
前田典子 三重 見舞ふべき人あり新藁匂ひくる 501号 31
前田典子 三重 狐振り向き別のわたしを見つめおり 502号 31
前田典子 三重 木枯しに慣れず一樹のなほ戦ぐ 504号 30
前田典子 三重 亀鳴くやわが代にて墓閉ざすこと 505号 26
前田典子 三重 原爆忌傘をひらけば骨がある 507号 32
前田典子 三重 初夢の母はわれより威勢よき 512号 31
前田典子 三重 鶏に似て来しわが手昭和の日 514号 29
前田典子 三重 彼の世とは翳なきところ白鳥来 521号 34
前田典子 三重 軽いやうな重たいやうな鮎もらひ 526号 34
前田典子 三重 終活を語りて桃を食みゐたり 529号 33
前田保子 神奈川 四月一日馬が瓦ごとごとと 464号 32
真島貞子 大阪 折角のまんまるの薄氷を落す 462号 30
間島貞子 大阪 かみなり落ちた旅した山に園の木に 489号 34
眞下素子 茨城 老いは内乱とめどなき黄落に佇つ 450号 33
眞下素子 茨城 郭公来と告げて寂しき身繕い 465号 31
舛田 長崎 黒揚羽庭にピアノのある如し 466号 32
舛田 長崎 福島の桃買う憂国の雨降るや 479号 31
舛田 長崎 神仏に屠蘇酌む人間淋しくて 482号 34
舛田 長崎 はや三日蛇より長い坂上る 492号 34
舛田 長崎 ブーゲンビリア父の言葉が百咲いて 501号 32
舛田 長崎 ナガサキ全滅の報耳にあり夏野 508号 29
舛田 長崎 戦争をはたと睨みて名月や 519号 34
間瀬ひろ子 埼玉 春光や地に家建てる自然かな 455号 29
間瀬ひろ子 埼玉 永らえむ独活きざむ夫あるかぎり 528号 32
松下晴江女 愛媛 金柑鈴成り耳学問の吹き溜り 425号 34
松本悦子 東京 鷹舞いてあたり悠然たらしめる 424号 32
松本悦子 東京 炎昼を耳栓研究家とともに 427号 32
松本悦子 東京 青き踏む身の丈五尺五寸にて 465号 32
松本悦子 東京 返り花肩に力を入れる癖 502号 32
松本悦子 東京 乗り継ぎに降りし空港巴里祭 510号 27
松本照子 熊本 冬そうび半身見える天袋 425号 35
松本照子 熊本 きさらぎや象の鼻振る音ばかり 426号 31
松本照子 熊本 羽抜鶏羽より薄き僕の耳 427号 33
松本照子 熊本 捨猫の深爪からむふきのとう 436号 29
松本照子 熊本 大夕焼け花眼となりしまま沈み 441号 33
松本照子 熊本 水飯の混濁ふかき胸の水 444号 29
松本ヒサ子 愛媛 初燕白いクルスへ真っ直ぐに 464号 33
松本ヒサ子 愛媛 女子駅伝三千院の大根煮 473号 33
松本ヒサ子 愛媛 秋耕の側を徐行し霊柩車 500号 33
松本文子 栃木 茎立や雨という字のように雨 424号 33
松本文子 栃木 はればれと水田の中に都市見えて 428号 33
松本文子 栃木 石段に男のひびき山眠る 431号 31
松本文子 栃木 散る青葉散らざる青葉奇数好き 444号 30
松本文子 栃木 叔父二人いくさに奪らる冬の蝶 451号 33
松本文子 栃木 急流は闇をいざなふ二月ゆく 453号 33
松本文子 栃木 雲好きの林好きなり護憲論 461号 34
松本勇二 愛媛 ばんざいが漂っている麦の秋 425号 36
松本勇二 愛媛 未だ脆き思想のころの隙間風 432号 36
松本勇二 愛媛 命かな干柿越しに夕日浴び 433号 29
松本勇二 愛媛 山繭を空にかざして少年老ゆ 438号 33
松本勇二 愛媛 布団干す父母に山の気満たすため 440号 31
松本勇二 愛媛 瓜坊は闇を食むことから始む 443号 34
松本勇二 愛媛 弟は見事に遠し柿若葉 445号 34
松本勇二 愛媛 白南風と思えば妻の光り始む 448号 31
松本勇二 愛媛 鳰浮き出る度にあたらしい 452号 30
松本勇二 愛媛 まくなぎにただ囲まれて父はなし 456号 35
松本勇二 愛媛 養蜂一家土地神に伏し山に伏し 457号 34
松本勇二 愛媛 六月の背広に古きティッシュかな 466号 33
松本勇二 愛媛 よく酔えば虫の闇より父帰る 479号 32
松本勇二 愛媛 鵙近く山野さすらう眠りかな 480号 27
松本勇二 愛媛 闘鶏の土佐で深酒して父よ 493号 30
松本勇二 愛媛 子雀に少し遅れる母の起き伏し 505号 27
松本勇二 愛媛 目の裏はすぐに脳みそ日照雨来る 506号 31
松本勇二 愛媛 田草取る言語離れている軽さ 507号 33
松本勇二 愛媛 死後少し残る聴力夕かなかな 508号 30
松本勇二 愛媛 鶏頭花頭の中はこんなもの 509号 31
松本勇二 愛媛 焚火囲みふっと青春わっと悔い 512号 32
松本勇二 愛媛 去り際の狐にニッと笑われる 522号 30
松本勇二 愛媛 ヤマブキと揺れて沈まず母の家 525号 31
松本廉子 栃木 夕暮れの水に従い崩れ簗 480号 28
松山登美子 福井 霧深し山ふところの赤子かな 460号 32
マブソン青眼 長野 落書は「話すと死ぬ」や寒月下 430号 32
マブソン青眼 長野 妊婦はや人魚のけはひ初日受く 432号 37
マブソン青眼 長野 虫の音の裏が無音の宇宙かな 439号 31
マブソン青眼 長野 葡萄剥きも不妊治療も二人かな 440号 32
マブソン青眼 長野 扇風機を崇めしづかな赤子かな 448号 32
マブソン青眼 長野 さみしげに秋刀魚ながむる赤子かな 455号 30
マブソン青眼 長野 蝿逃げてパチパチしたる赤子かな 458号 35
マブソン青眼 長野 花火見るたびウンチする赤子かな 461号 35
マブソン青眼 長野 雪だるまにおっぱい作れと泣く児かな 462号 31
マブソン青眼 長野 人の子も仔猫も空気被爆かな 478号 34
マブソン青眼 長野 放射状に爆発つづくさくらかな 485号 32
マブソン青眼 長野 選挙終えセシウムしみる枯野かな 491号 31
マブソン青眼 長野 原爆忌の雨原爆の河に落つ 508号 31
マブソン青眼 長野 羊雲百句仏訳して眠る 510号 28
マブソン青眼 長野 初鳩の真っ白な糞仏に落つ 513号 32
マブソン青眼 長野 人間は人間を産み花は葉に 515号 32
マブソン青眼 長野 ばら提げて独裁国家通りけり 517号 31
マブソン青眼 長野  秩父俳句道場・謝意を込めて
金子兜太納豆交ぜるや辛子多し
520号 29
マブソン青眼 長野 遠くから鳩にも見ゆる基地の鷹 523号 33
マブソン青眼 長野 夏至の鳥株情報紙にフン散らす 527号 32
丸木美津子 愛媛 桜散る一画違えば幸と辛 434号 34
丸木美津子 愛媛 林檎剥く始めよければ終りよし 439号 32
丸木美津子 愛媛 ひとりの音母へ母へと柿を剥く 441号 34
丸木美津子 愛媛 水替えて目高に独り善がりかな 466号 34
丸木美津子 愛媛 豆ご飯あなたとの昼深くする 475号 31
丸木美津子 愛媛 中途半端に慣れるは怖し蜥蜴の尾 485号 33
丸木美津子 愛媛 雷走る脳過るもの他になし 507号 34
丸木美津子 愛媛 長い話に青田途切れてしまったよ 517号 32
丸木美津子 愛媛 初蝉が胸にぶつかる転ぶなよ 527号 33
丸山久雄 北海道 御神渡り九十二歳をわたりゆく 433号 30
丸山マサ江 群馬 がちゃがちゃや嫁の正論を反芻 431号 32
丸山マサ江 群馬 銃口やモンローウォークして狐 434号 35
丸山マサ江 群馬 薔薇の門ひとりが好きといふ虚実 476号 33
三浦静佳 秋田 三月や岩礁のごと劣等感 504号 31
三浦静佳 秋田 青あらしハブ酒にハブのくるくると 505号 28
三浦静佳 秋田 母に父を笑わす力小鳥来る 510号 29
三浦静佳 秋田 家訓なし突っつき合って冷奴 528号 33
三浦二三子 愛知 少女より少年草食的に春 454号 34
三浦二三子 愛知 少年よ今踏んだのは鴨の声 461号 36
三浦二三子 愛知 鏡中の我にうっとり嫁が君 462号 32
三浦二三子 愛知 晩夏つまり赤胴色の祖父がいた 498号 34
三浦二三子 愛知 幼子の声と綿虫ぶつかるよ 512号 33
三浦二三子 愛知 祖父つまりあの焦げ方は麦秋です 516号 36
右田春雪 ブラジル ブラジルで作句覚へてふらここに 439号 33
右田春雪 ブラジル 展望のすばらし吾が部屋百年祭 447号 33
三木冬子 東京 何でもあって希望がない国草の実飛ぶ 441号 35
三木冬子 東京 ストッキング脱ぐように剥ぐ烏賊の皮 467号 34
三木冬子 東京 なびく髪は人間の旗はたた神 517号 33
三木冬子 東京 虹かかるやっぱ横浜西口じゃん 518号 32
汀 圭子 熊本 校長のふと球磨言葉春の石 424号 34
汀 圭子 熊本 心中の鬼の丸まる石蕗の花 480号 29
汀 圭子 熊本 菜園をポピーで満たし蟄居する 481号 32
汀 圭子 熊本 ずうっと紅葉ずうっと黄葉の浮遊かな 500号 34
汀 圭子 熊本 大芋虫を見てより不眠鳥打帽 509号 32
汀 圭子 熊本 春の地震まるで玉砕 墓石は 525号 32
水野真由美 群馬 立ちしゆゑ八月の木の伐られけり 426号 32
水野真由美 群馬 笛吹きて夭き名の笛吹きて父 433号 31
水野真由美 群馬 真夜、母に紅梅の風持たせやる 434号 36
水野真由美 群馬 三月のこどもひとりで歯をみがく 437号 31
水野真由美 群馬 幼年やまぶたに落とす羽の翳 438号 34
水野真由美 群馬 黄落の階段までを父とゆく 440号 33
水野真由美 群馬 夕暮れの屋根に男としやぼん玉 446号 31
水野真由美 群馬 葡萄青し一人で開く鶴の本 449号 34
水野真由美 群馬 鉛筆にまだ降り出さぬ雪匂う 452号 32
水野真由美 群馬 現し世に父母をらぬ日や春の水 455号 31
水野真由美 群馬 空をいま出でゆく鳥や杜若 458号 36
水野真由美 群馬 どの道も家路ではなし花杏 463号 29
水野真由美 群馬 子のなきを独というらし青き踏む 465号 33
水野真由美 群馬 谷底の空なき水の春の色 484号 32
水野真由美 群馬 ひとりとはこの世にひとり芹の花 486号 34
水野真由美 群馬 灯ともし頃あまたのわれと影を踏む 491号 32
水野真由美 群馬 眼鏡外すは喧嘩の作法根深汁 504号 32
水野真由美 群馬 蚕豆のひかりも死後のことなりぬ 506号 32
水野真由美 群馬 母の来て小鳥をつかむ仕草かな 508号 33
水野真由美 群馬 青梅雨の淡海の岸に母を置く 509号 33
水野真由美 群馬 流星群老いたる猫と猫背の友よ 510号 30
水野真由美 群馬 ひとを待つひと世でありぬ柿若葉 514号 30
水野真由美 群馬 死者若し眼裏に海の色を容れ 518号 33
水野真由美 群馬 葭切と死にはぐれたる漢かな 520号 30
水野真由美 群馬 書かざれば伏字はなけり風花す 522号 31
水野真由美 群馬 木の名前忘れやすくて小鳥来る 526号 35
三田地白畝 岩手 十二月八日瘤持つ深海魚 441号 36
三田地白畝 岩手 春寒やわれに売るべきイエスなく 444号 31
三田地白畝 岩手 糸遊やイエス三十四にて果つ 455号 32
三田地白畝 岩手 山彦は天に泉は掌に溢れ 457号 35
三田地白畝 岩手 現在地不明の森に毒茸 459号 30
三田地白畝 岩手 デクノボーたれと裸子抱きあげる 467号 35
三田地白畝 岩手 春の鳶想像力の円を出ず 484号 33
三井絹枝 東京 二日の夜水のよう嘘のよう声す 432号 38
三井絹枝 東京 余白は燃えるかもしれない逃水 434号 37
三井絹枝 東京 酔う二人ふくらんで見る金魚かな 436号 31
三井絹枝 東京 澱みという字好きなり白さるすべり 440号 34
三井絹枝 東京 春鳥夜の色より少し白 447号 34
三井絹枝 東京 風吹くごと揺れる友人更待月 449号 33
三井絹枝 東京 若き日のぽろんと折る膝紙雛 452号 33
三井絹枝 東京 口移しで余寒をもらうあはれさよ 453号 34
三井絹枝 東京 初蝶が薫るというくちびるかな 454号 35
三井絹枝 東京 一夜汲み二夜風汲み花すすき 460号 33
三井絹枝 東京 そのままぼおつと泣きし風知草 466号 35
三井絹枝 東京 涼しさに恥ずかしさありいもうと 467号 36
三井絹枝 東京 涼しさを恥ずかしと言ういもうとよ 468号 35
三井絹枝 東京 息をして忘れていたる残暑かな 469号 33
三井絹枝 東京 数え日や無口をしあわせと言えます 471号 33
三井絹枝 東京 冬紅葉一本の雨のような髪 473号 34
三井絹枝 東京 陽のように嘘のほしい日の菜の花 474号 35
三井絹枝 東京 朧月皆細目して横になる 476号 34
三井絹枝 東京 老いしまま螢に解けるいのちかな 478号 35
三井絹枝 東京 のその丁寧さが誘います 479号 33
三井絹枝 東京 わたくしの子のよう霙という名 480号 30
三井絹枝 東京 小鳥よりとけやすい声 ひいふう 481号 33
三井絹枝 東京 牡蠣舟や透きとおる声出すかな 483号 33
三井絹枝 東京 初鶯手にのせて湯に入ります 484号 34
三井絹枝 東京 風蘭の傍歩いてゆく恋や 487号 30
三井絹枝 東京 幼子二人に一つの枕薄紅梅 493号 31
三井絹枝 東京 雫かな老梅の話しています 494号 32
三井絹枝 東京 白い梅ふしぎそうに皆年をとり 496号 32
三井絹枝 東京 折れやすいからだや芙蓉廻ってます 499号 34
三井絹枝 東京 湯の中の乳房はかなし三冬月 501号 33
三井絹枝 東京 羽音よりさみしげにいる嫁が君 502号 33
三井絹枝 東京 彼岸寺ほそほそ一人言の咲く 503号 34
三井絹枝 東京 啓蟄のあはひに小雨降りしかな 506号 33
三井絹枝 東京 幼な字や明日天の川渡りましょう 507号 35
三井絹枝 東京 ぽーっと灯り一重瞼を閉じにけり 508号 34
三井絹枝 東京 声のふかさ明るい桔梗のようかな 510号 31
三井絹枝 東京 陽炎の小さな花屋はじめます 513号 33
三井絹枝 東京 ゆめに梅その世を借りてあたたかし 514号 31
三井絹枝 東京 蚊を見ているそうですえと溜息す 516号 37
三井絹枝 東京 二、三ページ蜻蛉の書いたノートです 518号 34
三井絹枝 東京 ふと人は僧のよう立ち桔梗かな 520号 31
三井絹枝 東京 古書店の帰り冬鳥とほうよう 522号 32
三井絹枝 東京 さくらいろの一重の息すおばあさん 524号 31
三井絹枝 東京 鳥のようと文字を誉められ冬鳥に 529号 34
光宗柚木子 愛媛 梅雨晴間老いて学べば死して朽ちず 428号 34
光宗柚木子 愛媛 石鎚山やゴビの黄砂に染まざりき 444号 32
水上啓治 福井 はつ夏の自画像馬を見ておりぬ 436号 30
水上啓治 福井 お雛さまぼくは段々馬の面 443号 35
水上啓治 福井 口元に雪を惑わせ如意輪さま 452号 31
水上啓示 福井 山の僧一汁一菜半ズボン 468号 34
水上啓治 福井 親族は寄って酔うもの谷紅葉 489号 35
水上啓治 福井 葱坊主島の娘は横向きに 505号 29
水上啓治 福井 熱帯夜言葉出て行く歯の透き間 508号 32
三松玲子 神奈川 逆光のラガーの白き前歯かな 463号 30
三松玲子 神奈川 しゃぼん玉名誉教授の髭に爆ぜ 485号 34
宮川としを 東京  癌手術
食道消えああにんげんという春愁
475号 32
宮川としを 東京 麦藁を叩けば爺の湧いて出る 505号 31
宮川としを 東京 老醜や晴れ晴れ雪を抱きしめん 512号 34
宮川としを 東京 ああ昭和まだくすぶるや葉桜に 525号 33
宮坂秀子 長野 浮世絵に素足のわたしが紛れ込む 447号 35
宮坂秀子 長野 ひとえ着て一羽のごとく佇む 448号 33
宮坂秀子 長野 口笛は誰を呼ぶ土雛売られゆく 453号 35
宮坂秀子 長野 夕焼が恐いのです五十肩 460号 34
宮坂秀子 長野 沙羅落花水の音激しくなる 487号 31
宮坂秀子 長野 きそのなあてっぺんの銀河凍りつく 510号 32
宮崎斗士 東京 桜咲いたよ石を運べば石屋のよう 424号 35
宮崎斗士 東京 画材屋のががんぼとして全うす 426号 33
宮崎斗士 東京 水引草に触れた時間が入り口です 429号 31
宮崎斗士 東京 倒立や冬がいちばん好きな兄 430号 33
宮崎斗士 東京 曇天だけ集めて海鼠ありにけり 433号 32
宮崎斗士 東京 さくら過ぎて全員が見る月球儀 435号 35
宮崎斗士 東京 旅という空き箱に鈴青水無月 436号 32
宮崎斗士 東京 球を描くような旅ですあめんぼう 437号 32
宮崎斗士 東京 夕顔や施錠もじゃんけんも一瞬 438号 35
宮崎斗士 東京 帽子へこんでぽこんと直る母の秋 440号 35
宮崎斗士 東京 鮫すーっと動いてたっぷりの夜かな 442号 34
宮崎斗士 東京 空欄なりときどき木の葉踏む母よ 443号 36
宮崎斗士 東京 桐咲けり日常たまにロングシュート 446号 32
宮崎斗士 東京 蕗の歯応え介護のひとつひとつかな 447号 36
宮崎斗士 東京 もうすぐ桜鏡に映るたび泣く子 464号 34
宮崎斗士 東京 辛夷の花筆談たまに大きなマル 465号 34
宮崎斗士 東京 母と握手ふつうの握手かたつむり 467号 37
宮崎斗士 東京 ギンヤンマいい質問がつぎつぎ来る 470号 31
宮崎斗士 東京 葉音からはじまる手紙如月は 475号 33
宮崎斗士 東京 あめんぼや「光」と書いて黙っている 476号 35
宮崎斗士 東京 夜明けの萩君らしいひとことが来る 479号 34
宮崎斗士 東京 蓑虫を「旅」と名づける揺らしてみる 480号 31
宮崎斗士 東京 みずひき草握手のために少し話す 481号 34
宮崎斗士 東京 天文学っておおむね静かふきのとう 483号 34
宮崎斗士 東京 鮎かがやく運命的って具体的 487号 32
宮崎斗士 東京 図書館できらきらする子青葡萄 488号 32
宮崎斗士 東京 疲れたかな一羽の冬かもめに夢中 491号 33
宮崎斗士 東京 逆上がりは菜の花の色祖父がいた 494号 33
宮崎斗士 東京 野遊びのあの子編集者のセンス 495号 32
宮崎斗士 東京 石鹸に春のくぼみや一人暮らし 505号 30
宮崎斗士 東京 あめんぼや旅ってさまざまな上空 507号 36
宮崎斗士 東京 てのひらの上の無花果医学生 509号 34
宮崎斗士 東京 とろろ汁母にも石を蹴る日常 510号 33
宮崎斗士 東京 野遊びや空からきっと見える二人 513号 34
宮崎斗士 東京 妻の機嫌いそぎんちゃくのようだ嫌だ 525号 34
宮崎斗士 東京 あの金魚とよく目が合って執筆中 526号 36
宮崎斗士 東京 枇杷いくつか母に老後の選択肢 527号 34
宮里 晄 沖縄 戦跡は花野たり得ず海茫茫 450号 34
宮里 晄 沖縄 風花の舞う長崎に婚約す 451号 34
宮里 晄 沖縄 片腕は天空にかけ豆の花 465号 35
宮辺 潔 福井 望郷やどこまで転ぶ夏帽子 457号 36
三好つや子 大阪 ハロウィンの帽子をかぶり授乳かな 511号 36
三好つや子 大阪 マンホールの蓋撮るおばさん雲雀東風 513号 35
三好つや子 大阪 含羞という物の芽の皺であり 514号 32
三好つや子 大阪 今朝の茄子皆つつがなくメタボなり 518号 35
三好つや子 大阪 手びねりは土の悦楽ななかまど 521号 35
三好つや子 大阪 鬼火の付箋つけてく空家調査員 529号 35
武藤暁美 秋田 菜の花や潟は大きい目玉焼き 425号 37
武藤暁美 秋田 真青なる蓴菜戦争知らぬ子と 428号 35
武藤暁美 秋田 みちのくや亡者踊りの眼が三つ 429号 32
武藤暁美 秋田 喪のいろの蕨煮ているまた戦争 437号 33
武藤暁美 秋田 佐渡ヶ島少女のつまむ赤南蛮 440号 36
武藤暁美 秋田 北の岬破れ団扇の置かれおり 447号 37
武藤暁美 秋田 隠棲の沼番盃にも蛍 458号 37
武藤暁美 秋田 脱ぎ捨てのパジャマ夏くる男鹿半島 459号 31
武藤暁美 秋田 こころのかたち赤蕪を厚く切る 461号 37
武藤暁美 秋田 種袋ひらく歯切れよき嫁よ 465号 36
武藤暁美 秋田 竿燈のひかりのクロスワードかな 468号 36
武藤暁美 秋田 烏瓜の花なり星の抜け道なり 470号 32
武藤暁美 秋田 葱刻む刃先を海へ手術待つ 475号 34
武藤暁美 秋田 雨乞いや父の眉毛を切りそろえ 476号 36
武藤暁美 秋田 老僧もかつて兵なり芒原 480号 32
武藤暁美 秋田 天仰ぐ死者に青田の真直ぐなり 487号 33
武藤暁美 秋田 首塚や字余りのよう雁の声 490号 31
武藤暁美 秋田 村じゅうのぶりこ噛む音嫁が来る 492号 35
武藤暁美 秋田 雪べらの突立っている喪の戸口 495号 33
武藤暁美 秋田 牛の鼻撫でふくしまの花まんさく 496号 33
武藤暁美 秋田 寒月光来ぬ人の椅子たためない 503号 35
武藤暁美 秋田 馬撫でるよう半島の荒布干し 510号 34
武藤暁美 秋田 降る雪や箪笥引くたび会える母 513号 36
武藤暁美 秋田 青葉木菟母の匂いの樹を探す 515号 33
武藤暁美 秋田 雁発てり水の底まで北の空 524号 32
武藤鉦二 秋田 鬼太鼓の不意の打ち止め夜の蝉 438号 36
武藤鉦二 秋田 口べらしの唄あり筵織り継げり 442号 35
武藤鉦二 秋田 掻いて雪掘つてまた雪絵ローソク 444号 33
武藤鉦二 秋田 葱折れぬように転びし男かな 450号 35
武藤征二 秋田 はらからやひよこひしめく箱運ぶ 453号 36
武藤鉦二 秋田 刳り舟はまだ山にあり青葉木菟 455号 33
武藤鉦二 秋田 冬浪なり烏賊墨のぶっかけ飯 463号 31
武藤鉦二 秋田 日盛りの牛撫でて藁測定員 478号 36
武藤鉦二 秋田 色鳥の木があり老いの地平あり 481号 35
武藤鉦二 秋田 裸木に耳あり残照のふくしまなり 482号 35
武藤鉦二 秋田 だまし絵のなかのふくしま夕桜 484号 35
武藤鉦二 秋田 萍のああじれったい男かな 487号 34
武藤鉦二 秋田 艶話のようには死ねぬ夕かなかな 488号 33
武藤鉦二 秋田 収縮も弛緩も飽きてなまこかな 491号 34
武藤鉦二 秋田 御詠歌の終いは梟呼ぶごとし 494号 34
武藤鉦二 秋田 青嵐石に馬乗りして石屋 496号 34
武藤鉦二 秋田 逝くまでの風筋太き青田かな 499号 35
武藤鉦二 秋田 氷柱にも念力津軽あいや節 503号 36
武藤鉦二 秋田 弔いの灯のつながりぬ雪消虫 504号 33
武藤鉦二 秋田 鬼になれる器でもなし夕ざくら 505号 32
武藤鉦二 秋田 五郎太寝の番屋首振り雛かな 507号 37
武藤鉦二 秋田 乳張ってきたか良夜の土偶かな 510号 35
武藤鉦二 秋田 煮凝りをつついて津軽艶笑譚 513号 37
武藤鉦二 秋田 梟と話す父あり追い越せぬ 514号 33
武藤鉦二 秋田 晩成を期する晩年夜の蝉 517号 34
武藤鉦二 秋田 地雷無き国踏んでみる霜柱 520号 32
武藤鉦二 秋田 怒も哀も山唄であり濁り酒 522号 33
武藤鉦二 秋田 餅を焼く火の色に父祖あぶりだし 523号 34
武藤鉦二 秋田 漆黒を重ね花待つ塗師かな 524号 33
武藤鉦二 秋田 にいにい蝉臍の緒つけて藁人形 528号 34
村井 秋 神奈川 他人という奇想天外チューリップ 455号 34
村井 秋 神奈川 白鳥の圧倒的な表面張力 463号 32
村井 秋 神奈川 小難しい息子いらない唐辛子 470号 33
村上 豪 三重 覗き込み蝌蚪の群れより天奪う 444号 34
村上 豪 三重 冷奴の角なぞりいる平和かな 457号 37
村上 豪 三重 雪を酒で洗うて墓の微醺かな 493号 32
村上 豪 三重 鰤大根婆鼻歌の反戦歌 501号 34
村上清香 愛媛 青林檎親を諭して娘の帰る 509号 35
村上友子 東京 時計草行きつ戻りつして一日 437号 34
村上友子 東京 陽の葉牡丹そうだ羽もつ母だった 452号 34
村上友子 東京 流砂影なすこの家ブランコがあった 456号 36
村上友子 東京 夾竹桃はるかはらから波頭 459号 32
村上友子 東京 小気味よく夏野をよぎる独りである 468号 37
村上友子 東京 煮凝うっすら崩れリアス式海岸 470号 34
村上友子 東京 しゃぼん玉草間弥生が真ん中に 484号 36
村上友子 東京 月明り短信ときに短剣なり 490号 32
村上友子 東京 栗甘し硬しコクトーの詩篇のよう 491号 35
村上友子 東京 どの道を来てこの真青なる蝶よ 505号 33
村上友子 東京 誰もが好きな木立ちがあって喜雨のなか 506号 34
村上友子 東京 月を見る手ぶらの翁こそ勇姿 509号 36
村上友子 東京 高階に蜜蜂を飼う母は天体 514号 34
村上友子 東京 夏木立やがて言葉は鈍化する 517号 35
村上友子 東京 落蝉や人声のこんなに乱れて 519号 35
村田厚子 広島 夫在りき夫の死ありき遠花火 478号 37
村田厚子 広島 面白うて泪拭わん曼珠沙華 509号 37
村松喜代 熊本 蕗味噌や二夜連続の大地震 524号 34
村田ミナミ 神奈川 草の花もあなたもくどいのだ 436号 33
村田ミナミ 神奈川 ポテンヒット螢の宿にほたるかな 437号 35
村松恵理奈 神奈川 雨の粒空が逆さに落ちていく 464号 35
村松恵理奈 神奈川 太陽の毛先がうなじに噛り付く 466号 36
室田洋子 群馬 眠り浅くて透ける躰よ芹の花 427号 34
室田洋子 群馬 こおろぎや金平糖が頬の中 430号 34
室田洋子 群馬 連翹やどこか短気なハングル文字 435号 36
室田洋子 群馬 花冷えの君等ブラックチョコレート 446号 33
室田洋子 群馬 啄木鳥や言い張る時の首太し 459号 33
室田洋子 群馬 紅葉かつ散る軽く首曲げストレッチ 460号 35
室田洋子 群馬 着ぶくれの妻よ無敵の要塞よ 484号 37
室田洋子 群馬 言葉にも運動神経あめんぼう 488号 34
室田洋子 群馬 秋思かなきりんの首の雨だれ 490号 33
室田洋子 群馬 流木を束ねたよう爆心地に旅人 497号 35
室田洋子 群馬 女系家族白菜みたいな足並ぶ 502号 34
室田洋子 群馬 まるめろのいびつよ誰のものでもなく 510号 36
室田洋子 群馬 連翹の黄よ棒立ちの言葉たち 524号 35
室田洋子 群馬 ひなげし畑喋って喋って母凋む 526号 37
森井栄子 東京 緑陰や八方美人のまま痩せて 477号 37
森内定子 福井 もう誰のことも思わず穴惑い 469号 36
森内定子 福井 たんぽぽと小声で言うてひとりなり 474号 36
森内定子 福井 水中花水の意のままなるがよし 497号 36
森内定子 福井 ふっと草枯れの感覚パン焦げる 501号 35
森岡佳子 東京 草むしる蟋蟀の寝床もあるだろに 492号 36
森岡佳子 東京 邪険かなささやきぐさを引っこ抜く 507号 39
森岡佳子 東京 撫でるごとトマト湯むきす子は遠し 508号 37
森央ミモザ 長野 冬蝶のぽと蒼みし紙包み 431号 33
森央ミモザ 長野 白鳥吹かれ額に大きな夕闇が 433号 33
森央ミモザ 長野 夜更かしの帆の真みどりに夏の星 438号 38
森央ミモザ 長野 しゃぼん玉こぼれる馬の背は異国 444号 36
森央ミモザ 長野 人声の残すむらさきかぶと虫 447号 38
森央ミモザ 長野 綿虫遊ぶ 一重瞼のまま遊ぶ 450号 37
森央ミモザ 長野 約束は蝶の翳なり避暑期去る 458号 38
森央ミモザ 長野 凍星よとても透明な眩暈 462号 34
森央ミモザ 長野 如月よ星抱く野辺はまだ無言 463号 33
森央ミモザ 長野 坐るたび空を見る癖野紺菊 469号 37
森央ミモザ 長野 冬草よ言葉あふれて無口なる 471号 36
森央ミモザ 長野 田水張る馬のかたちに雲が行き 475号 35
森央ミモザ 長野 祖を思うわれは薄暑に寝返りを打つ 487号 36
森央ミモザ 長野 銀やんま近づく我を寂しがる 488号 35
森央ミモザ 長野 旅という静かなうしろ鹿のうしろ 489号 37
森央ミモザ 長野 鶏頭花ひとりは一方的に紅く 490号 35
森央ミモザ 長野 巣を覗く真昼の透明な背のび 495号 34
森央ミモザ 長野 此処はもうここではなくて夕焼ける 496号 36
森央ミモザ 長野 朝粥のさざなみに草笛の灯し 498号 35
森央ミモザ 長野 黄砂降る地上に曖昧な怒り 504号 35
森央ミモザ 長野 夏蝶描くそっと真昼を見詰めつつ 505号 34
森央ミモザ 長野 肩に星夜汽車もわたしも夏の影 506号 36
森央ミモザ 長野 旅は一途な水の底にも夏燕 507号 38
森央ミモザ 長野 猫が触れゆく静かな柱夏の家 508号 36
森央ミモザ 長野 寝足りてもまどろみ深し黒葡萄 510号 37
森央ミモザ 長野 土がやさしい足跡残し冬菫 511号 38
森央ミモザ 長野 父在れば真っ白うさぎ胸に灯す 512号 35
森央ミモザ 長野 茅の輪くぐるはわが名緑に触れそめし 517号 37
森央ミモザ 長野 地図辿る退屈が好き黒葡萄 519号 36
森央ミモザ 長野 綿虫と揺らぐまなぶた旅のまま 521号 36
森央ミモザ 長野 雨にいて吾も雨の輪ほうれん草 523号 36
森  鈴 埼玉 蛍火や四十手前の寡婦の母 467号 38
森  鈴 埼玉 つくつくしつくづくつくしつかれけり 469号 34
森  鈴 埼玉 蝉時雨砂山のよう雲のよう 471号 34
森  鈴 埼玉 昼星のあまた降るなり十二月 481号 36
森  鈴 埼玉 日本とう冷めた雑炊朝まだき 490号 34
森  鈴 埼玉 啄木鳥や三度三度の飯作り 499号 36
森  鈴 埼玉 兄老いぬ漁の始めの褌新た 503号 37
森  鈴 埼玉 地虫出づ土に○書く遊びかな 504号 34
森  鈴 埼玉 子規に律松蔭に文破れ傘 515号 34
森  鈴 埼玉 金雀枝黄色老い母の丈夫な歯 517号 36
森  鈴 埼玉 輪の外の皇帝ペンギン着ぶくれて 522号 34
森  鈴 埼玉 眠い日常出目金の長い糞 526号 38
森  鈴 埼玉 新潟日報に包まれ届く新生姜 529号 36
森武晴美 熊本 石蕗咲くや母を見初めた父が好き 510号 38
森武晴美 熊本 胃の上に猫の前足花の冷え 524号 36
森武晴美 熊本 燕の巣抱きて倒壊震度七 525号 37
森田高司 三重 ボート朽ちて湖水に誕生日来たる 427号 35
森田高司 三重 紙風船日の出の島をすべりおり 436号 34
森田高司 三重 夕焼けに突き刺さる月誕生日 440号 37
森田高司 三重 躊躇する日の出を見たり生家 452号 35
茂里美絵 埼玉 低く来る蝶よひんやりと未来 424号 36
茂里美絵 埼玉 葉月かな酒蔵は回想してる船 429号 33
茂里美絵 埼玉 遠江水澄む底の影も澄む 430号 35
茂里美絵 埼玉 青胡桃こめかみに乱読のなごり 438号 37
茂里美絵 埼玉 薬包紙ひらく余韻を早春とも 444号 35
茂里美絵 埼玉 まんじゅしゃげ白い石から拾われる 450号 36
茂里美絵 埼玉 落鮎に響きやすしよ小石たち 451号 35
茂里美絵 埼玉 言霊はふいに来るものお雛さま 454号 36
茂里美絵 埼玉 さくらんぼ明るい水底だってある 459号 34
茂里美絵 埼玉 天狼星ぼんやり目覚めている原稿 462号 33
茂里美絵 埼玉 人老いて夕顔ひらくとき夕餉 469号 35
茂里美絵 埼玉 柿すだれけむりのように日暮来て 471号 35
茂里美絵 埼玉 釣瓶落し敬語なんかで喋らない 472号 35
茂里美絵 埼玉 生きている皮膚は湿りて行行子 476号 37
茂里美絵 埼玉 包帯も花野も危なっかしい砦 479号 35
茂里美絵 埼玉 べたっと昼月とてつもなき大マスク 483号 35
茂里美絵 埼玉 しんぞうがとととぽぽぽと子猫かな 485号 35
茂里美絵 埼玉 朝掘りのたけのこ縄文土器と有り 486号 35
茂里美絵 埼玉 青蚊帳にふわっと消えるからだかな 487号 35
茂里美絵 埼玉 あのゴリラひとを枯葉のように視る 491号 36
茂里美絵 埼玉 冬の雲光る気光る木ランナー 493号 33
茂里美絵 埼玉 出さぬ文で舟折っている夕ざくら 494号 35
茂里美絵 埼玉 ほたる飼うあにいもうとよナガサキ 496号 35
茂里美絵 埼玉 本音とは昏き水なり石蕗の花 500号 35
茂里美絵 埼玉 子馬らの群れて羽音のすこしある 506号 35
茂里美絵 埼玉 草いきれ皮膚は牢のようでもあり 508号 35
茂里美絵 埼玉 一字一字夕ひぐらしの声かな 509号 38
茂里美絵 埼玉 味覚だけ冴える苛立ち白粉花 511号 37
茂里美絵 埼玉 釣瓶落し岩があるから目礼す 520号 33
茂里美絵 埼玉 この峡の落花ひんやり乳房かな 525号 35
茂里美絵 埼玉 しずかなる氾濫金魚の泡に泡 527号 35
森 美樹 千葉 初笑いの叔母は太巻き寿司のよう 445号 35
森 美樹 千葉 鏡中をさまよつてゐる夜長妻 448号 34
森 美樹 千葉 鳥の巣や人は気紛れ旅に出る 455号 35
森 美樹 千葉 水平線も君も潔癖花菜畑 473号 35
森 美樹 千葉 白菜を抱えて乳房つぶれけり 485号 36
森 美樹 千葉 蠍座や今宵わが髪乱れます 489号 36
守屋茂泰 東京 夕暮れや人の声出す春の土 426号 34
守屋茂泰 東京 わが影という生き物に秋の蜂 431号 34
守屋茂泰 東京 流星に音なき不思議冬の旅 433号 34
守屋茂泰 東京 水鳥を数え尽くして寄る辺なし 442号 36
守谷茂泰 東京 わが影を憶えていたる春の坂 444号 37
守谷茂泰 東京 木の椅子の白夜のごとく置かれけり 456号 37
守谷茂泰 東京 遠花火静物として月日あり 457号 38
守谷茂泰 東京 象の居た後の日溜り二月来る 463号 34
守谷茂泰 東京 ここにいることが遠景梅咲けり 473号 36
守谷茂泰 東京 優しさや既に目の無い山椒魚 480号 33
守谷茂泰 東京 ハンカチの木よ雨空は生まれたて 485号 37
守谷茂泰 東京 波音を繭と思いぬ春の駅 494号 36
守谷茂泰 東京 ほたるぶくろ星空のごと覗きこむ 496号 37
守谷茂泰 東京 船上のごとき夏野に傾ぎけり 498号 36
守谷茂泰 東京 春土は涙を埋めてしずかなり 504号 36
守谷茂泰 東京 冬蝶のごとくに頭痛去りにけり 510号 39
守谷茂泰 東京 人体はみな岬かな鳥帰る 514号 35
守谷茂泰 東京 森よりもしずかな言葉夏に入る 516号 38
守谷茂泰 東京 生まれ来て得る引力や夕つばめ 517号 38
守谷茂泰 東京 木に縋り乾ぶ国家と空蝉と 518号 36
守谷茂泰 東京 梟は帽子のごとく頷けり 521号 37
守谷茂泰 東京 鳥たちに空の回廊夏終わる 528号 36
森由美子 埼玉 生き急ぐ夫にからむや零余子蔓 493号 34
森由美子 埼玉 白蓮やときどき邪魔な自尊心 500号 36
森由美子 埼玉 胡麻爆ぜるどの子も親の意に添わず 523号 35
森由美子 埼玉 凍て鶴ややたらに痒い脛を持つ 525号 36
森由美子 埼玉 透明な針魚鋭き子の感性 528号 35
諸 寿子 東京 夫に添う離島や冬菜繁らせて 470号 35
諸 寿子 東京 夏痩の我に窶れし母ありき  475号 36
諸 寿子 東京 老樵声かけ帰る浮巣かな 478号 38
諸 寿子 東京 象一頭黄蝶一頭我独り 493号 35
諸 寿子 東京 いなびかり男子を軽々背負投げ 499号 37
諸 寿子 東京 身に覚えある天罰や春の風邪 505号 35
諸 寿子 東京 巣立鳥どれかがきっと青い鳥 514号 36
諸 寿子 東京 じきですね そろそろだなあ夏落葉 518号 37
諸 寿子 東京 縋るごと地に葉を広げ薺かな 522号 35

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