金子兜太選 海程秀句」鑑賞 作者名索引

 や行・ら行・わ行


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作者名
地域
番号 
柳生正名 東京 草市が終はりの歯の細か 427号 36
柳生正名 東京 曼珠沙華散るはすかひに土性骨 429号 34
柳生正名 東京 空耳に石蕗咲いて汝も黄の人よ 430号 36
柳生正名 東京 会津はや腹召すように蝶生まる 434号 38
柳生正名 東京 山法師だんべえとずらの国境 435号 37
柳生正名 東京 落蝉や行者の脛は刃のやうに 439号 34
柳生正名 東京 俳壇に室咲き多し寝るとする 441号 37
柳生正名 東京 冬蜂にそっと音叉を寄せにけり 442号 37
柳生正名 東京 三日月は片手で隠れ麦の秋 445号 36
柳生正名 東京 ほうたるも蛇の眼も地震のなか 446号 34
柳生正名 東京 山僧と穴惑卵呑みし顔 459号 35
柳生正名 東京 冬の蝿逐ふこと玉子立てること 460号 36
柳生正名 東京 地に殉教宙に毛深き蝶の貌 464号 36
柳生正名 東京 麦秋のどこまで眠りどこから死 467号 39
柳生正名 東京 案山子より人痩せ峡の危な唄 470号 36
柳生正名 東京 瞑目は根雪の硬さ即身仏 471号 37
柳生正名 東京 巣箱ありシェフの気まぐれサラダあり 475号 37
柳生正名 東京 夜爪切る母に母なき螢籠 476号 38
柳生正名 東京 坊様に肉食系の眉がちゃがちゃ 479号 36
柳生正名 東京 微笑とも白鳥載せし水輪とも 483号 36
柳生正名 東京 原発なくとも蝶の寝息と暮らす 486号 36
柳生正名 東京 羽音澄む蜻蛉も十字懸垂も 488号 36
柳生正名 東京 墓囲ふ鄙の饂飩は足で踏み 490号 36
柳生正名 東京 銀閣も耳の後ろも冬ざるる 493号 36
柳生正名 東京 春眠に風倒木があり醒める 494号 37
柳生正名 東京 春寒し鳥のかたちに星繋ぎ 504号 37
柳生正名 東京 凍蝶がゐてすぐそばの遠い場所 512号 36
柳生正名 東京 髭あたることも惜命花過ぎて 514号 37
柳生正名 東京 蠅をらぬ爆心蝿取紙垂れる 518号 38
柳生正名 東京 掌に受ける柿重し秩父は膣部 520号 34
柳生正名 東京 蛇衣を脱いで逝くまで瞬かず 527号 36
安井昌子 東京 自由という孤独車窓に柚子たわわ 431号 35
安井昌子 東京 待つことも励まし試歩に青葉冷ゆ 449号 35
安井昌子 東京 雪女ことばのわかる馬といて 453号 37
安井昌子 東京 月山や雪道僧に肩借りし 462号 35
安井昌子 東京 旅寝かな水鳥の羽藻にからむ 463号 35
安井昌子 東京 清貧や初蝶吾と塀の中 466号 37
安井昌子 東京 屯する君らの自由星月夜 471号 38
安井昌子 東京 野水仙夜がひびいて眠れない 477号 38
安井昌子 東京 餅にかび罪のごとあり戦中派 482号 36
安井昌子 東京 苔の花まとひ淋しく寄せ墓に 486号 37
安井昌子 東京 鬱蒼と東京暮らしや南瓜煮る 488号 37
安井昌子 東京 貧乏神も煤けて囲炉裏火を守る 501号 36
安井昌子 東京 秘密基地子の汗しみしダンボール 505号 36
安井昌子 東京 母の日や戦中戦後耐え賜う 515号 35
安井昌子 東京 梟の目覚めか新宿歌舞伎町 520号 35
安井昌子 東京 戦争を知らぬ為政者雲の峰 528号 37
柳 ヒ文 神奈川 花に水母を苛めた夏終る 529号 37
矢野千佳子 神奈川 余情とは刈田見て来たあの渇き 431号 36
矢野千佳子 神奈川 現代や峠より見し晩稲あかり 439号 35
矢野千佳子 神奈川 空海さんいまだに生きて蝌蚪に足 446号 35
矢野千佳子 神奈川 視野のどこか山蟻なんとにぎやかな 449号 36
矢野千佳子 神奈川 もの書けばさくら吹雪の混沌や 455号 36
矢野千代子 兵庫 堅田辺りへ祝詞のように田水落つ 429号 35
矢野千代子 兵庫 料峭の石に雨ふる素読という 433号 35
矢野千代子 兵庫 高速道に先頭がある麦の秋 436号 35
矢野千代子 兵庫 蝦夷鹿は託かりもの霧の巻く 437号 36
矢野千代子 兵庫 口閉じよ花葛は帆の傾れよう 439号 36
矢野千代子 兵庫 追炊きのよう山茱萸が咲く日ぐれ 454号 37
矢野千代子 兵庫 静原の稲架のたかさの返歌かな 459号 36
矢野千代子 兵庫 白鳥は附 大工道具館 461号 38
矢野千代子 兵庫 流星群竜頭止まるまで巻いて 472号 36
矢野千代子 兵庫 楽浪の国やこんもり今年米 479号 37
矢野千代子 兵庫 しどみの実小鹿野産土神の駄々 480号 34
矢野千代子 兵庫 六匹の蟻が軍手に篤くたかる 487号 37
矢野千代子 兵庫 如是我聞生の白子に箸揃え 494号 38
矢野千代子 兵庫 羅漢千体薄い下着のはりついて 496号 38
矢野千代子 兵庫 ご陵の辺耳目消すよう芋茎刈る 500号 37
矢野千代子 兵庫 窯出しはちょっと前なりこの青嶺 505号 37
矢野千代子 兵庫 芹を嗅ぎここから流離歩かねば 512号 37
矢野千代子 兵庫 対岸の鷽の饑さすぐ吾に 522号 36
矢野千代子 兵庫 陽の蜥蜴握手強きは好敵手 526号 39
矢野美与子 東京 夜目に光る蛙ひき逃げ事件なり 424号 37
矢野美与子 東京 乾杯やかなりアレグロ虫の声 429号 36
矢野美与子 東京 春暁のからす鳴きます適当に 445号 37
矢野美与子 東京 暴走族なんか古くてお正月 452号 36
矢野美与子 東京 電車待つ下着のようなマスクして 461号 39
矢野美代子 東京 電車待つ下着のようなマスクして 462号 36
矢野美与子 東京 をみなえしときけば川崎展宏さん 469号 38
山岡敬典 岡山 不安がすぅーと消えたよ明るいつわの花 440号 38
山岡敬典 岡山 寒紅の明るき妻に日差し差す 473号 38
山内崇弘 愛媛 酒止めた父と落葉のよく煙る 452号 37
山内崇弘 愛媛 恋猫の大きな方を銃撃す 473号 37
山内崇弘 愛媛 親父たるもの一本道の黄葉紅葉 490号 37
山内崇弘 愛媛 弱きになればこんな落葉に蹴つまずく 502号 35
山内崇弘 愛媛 焼鳥の串で文字書く熱く書く 522号 37
山内崇弘 愛媛 マスクの中で舌出すことも立春 523号 37
山岡千枝子 岡山 仏間なく秋思の風の冷たさに 431号 37
山岡千枝子 岡山 日々たのし赤き魚飼う夫の秋 460号 37
山岡千枝子 岡山 右耳の悲し鳴りをり温める 464号 37
山岡千枝子 岡山 緑風の谷に生きをり最晩年 487号 38
山口 伸 愛知 俺も無党派すずなのくくたち 433号 36
山口 伸 愛知 西瓜畑口鉄砲を二・三発 446号 36
山口 伸 愛知 父の日の父がやたらに畑を打つ 457号 39
山口 伸 愛知 大根干すための十字架立てておる 462号 37
山口 伸 愛知 如月や陽を漉き込んで農に老ゆ 463号 36
山口 伸 愛知 焚火の輪いつか死ぬ人朗らなり 480号 35
山口 伸 愛知 逢うとすぐ背を叩く癖節分会 483号 37
山口 伸 愛知 どんよりと老人が居て放屁虫 490号 38
山口 伸 愛知 春田打つ俺も死にゆく一人かな 502号 36
山口 伸 愛知 水引いて蛙の恋する田を作る 514号 38
山岸てい子 埼玉 夏の波私の足跡食べつくす 466号 38
山田哲男 新潟 囀りの高みに入らず初音かな 424号 38
山田哲夫 愛知 僧形やころんと枇杷の種を吐き 437号 37
山田哲夫 愛知 病苦より解かれし骨や冬深し 453号 38
山田哲夫 愛知 見えぬとは恐ろし白梅に微香 474号 37
山田哲夫 愛知 冬耕のひとりが石となる日暮れ 492号 37
山田哲夫 愛知 筍や見えない過去が根の如く 495号 35
山田哲夫 愛知 一念を通し裸木のごとく立つ 502号 37
山田哲夫 愛知 介添えの黒衣が守る里歌舞伎 503号 38
山田哲夫 愛知 麦秋や明日へ書き足すこと少し 506号 37
山田哲夫 愛知 楽しくて今日もこの世の青き踏む 515号 36
山谷草庵 青森 余生なお健気の妻よラ・フランスよ 479号 38
山下一夫 鳥取 空しさは程好い器花梨煮る 519号 37
山下真理子 北海道 穢れたる舌月光に晒しおり 428号 36
大和洋正 千葉 月光のガンジス黝きわが荒野 520号 36
大和洋正 千葉 山の国火の国青野に続く地震 525号 38
大和洋正 千葉 十二番線真夏日のフクシマへ 527号 37
山中葛子 千葉 百千鳥消える競走しておりぬ 433号 37
山本 勲 北海道 紅葉に群れ足場に並び妻と流れる 424号 39
山本 勲 北海道 山の月雪の足跡みな尾を持つ 431号 38
山本 勲 北海道 空の晩夏ガラスや虹の微音かな 451号 36
山本 勲 北海道 月でブランコする蜘蛛よ妻は跣かな 455号 37
山本 勲 北海道 鋤く母のおかしくも小粒雲雀かな 465号 37
山本 勲 北海道 雪が来た飯噛むと聞こえる山の音 481号 37
山本 勲 北海道 新樹光一管のごと水飲みくだす 486号 38
山本 勲 北海道 杉菜抜いても確かに空地父の家 489号 38
山本 勲 北海道 思考といいがたし春の土堀りはじめる 495号 36
山本 勲 北海道 滝壷をやがて去る水青き真昼 508号 38
山本逸夫 岐阜 宇宙哀し汚物のビンの捨てどころ 426号 35
山本逸夫 岐阜 白山へ夕紅葉ちる字御母衣 430号 37
山本逸夫 岐阜 糸遊庵空中の花繚乱と 437号 38
山本逸夫 岐阜 赤き蕎麦挽きて夢さむ井月忌 442号 38
山本逸夫 岐阜 影法師きみがはたらく月光市 452号 38
山本逸夫 岐阜 雑木山ああ楽しひかり赫く 455号 38
山本逸夫 岐阜 朝日さす真っ只中山笑う 464号 38
山本キミ子 富山 無月かな幕引きのよう義歯鳴らす 451号 37
山本キミ子 富山 木枯し奴わたしに小皺の置き土産 452号 39
山本キミ子 富山 花八手無邪気な貌かはた白痴か 462号 38
山本キミ子 富山 郁子明り長生きは娑婆塞ぎとも 469号 39
山本キミ子 富山 頑な無神論者に穴まどい 472号 37
山本キミ子 富山 一面雪脛に傷もつ眩しさよ 473号 39
山本キミ子 富山 春愁や路地黝くすニートたち 474号 38
山本キミ子 富山 おいらん草ぽうっと火照るご老体 477号 39
山本キミ子 富山 石蕗明かりはっと気付きし汝の野心 480号 36
山本キミ子 富山 融雪期掬いあげたる句の蒼さ 493号 37
山本キミ子 富山 雪降り積む日の目を見ない句の上に 512号 38
山本キミ子 富山 尽きぬ話暮れて二月の礼者かな 513号 38
山本光胤 大阪 言霊という地響きや書を曝す 497号 37
山本光胤 大阪 寄鍋や我が足軍靴履きし日も 501号 37
山本 掌 群馬 青水無月あおい空洞ですわたくしは 506号 38
山本昌子 京都 夏にオロオロさまよう蟻となっており 430号 38
山本昌子 京都 もどろかな紫陽花の鞠のバランス 436号 36
山本昌子 京都 八風街道東へつばな流すかな 448号 35
山本昌子 京都 茅花流し来るは越中雨晴 456号 38
山本昌子 京都 棒鱈のガチガチ人体標本図 472号 38
山本昌子 京都 寝てばかりの帰省子に窓開け放つ 478号 39
山本昌子 京都 能面打ちの座るところまで冬日 491号 37
山本昌子 京都 リラ冷えやわが膝に皿ありしこと 524号 37
山本弥生 愛媛 蜜豆を食べ過ぎるなよ夢に母 448号 36
山谷草庵 青森 更衣座敷わらしのべべ畳む 506号 39
柚木紀子 東京 懐かしむ胎の冥さの蝦夷春蝉 427号 37
柚木紀子 東京 人に人離りゆく大山蓮華 428号 37
柚木紀子 東京 雁や寝心かくも覚束無 431号 39
柚木紀子 東京 泥の音ちかづく顕るる蓮根堀 439号 37
柚木紀子 東京 月の照る峠なるらむ汝ならば 440号 39
柚木紀子 東京 あしあともて帰依せむ山や冬谺 441号 38
柚木紀子 東京 春の空てふ空白の席かな 444号 38
柚木紀子 東京 永遠と一日を霧 青霧 446号 37
柚木紀子 東京 世を待つや星荘厳露荘厳 449号 37
柚木紀子 東京 水澄むや漢の澄みのただならぬ 450号 38
柚木紀子 長野 澄極み水の齢のなかりけり 459号 37
柚木紀子 長野 なかんづく仮面のひかり里神楽 463号 37
柚木紀子 長野 荒磯にオルガン三月十一日 474号 39
柚木紀子 長野 遅れとる蛇めでたしや穴へ 479号 39
柚木紀子 長野 わたつみに打ち拉がれし牡蠣の殼 480号 37
柚木紀子 長野 夜の雲の愚かに白しニセアカシア 486号 39
柚木紀子 長野 うしろより男声「ようそろ」冬近し 489号 39
柚木紀子 長野 冬幻ほどなる鬱よ息ひけり 491号 38
柚木紀子 長野 ぐるりに垂氷一戸の齢爛爛と 492号 38
柚木紀子 長野 星逢うて三歳童子佇ちてあり 493号 38
柚木紀子 長野 氈鹿に代りて佇たな春の雪 494号 39
柚木紀子 長野 羆らし薔薇薔薇薔薇嗅ぐつもりらし 495号 37
柚木紀子 長野 雲の峰鞍なき白馬曳き入れよ 498号 37
柚木紀子 長野 起ちあがる文章をこそ春北斗 503号 39
柚木紀子 長野 覚束な天のまろさも罌栗畑も 505号 39
柚木紀子 長野 遠さかる漢のごとく八月も 508号 39
柚木紀子 長野 夏おちば激昂これを限りとしょ 515号 37
柚木紀子 長野 夜の爼に黒ありありく雨水かな 523号 38
與儀つとむ 沖縄 仰向けに寝て食う梨やナイアガラ 429号 37
輿儀つとむ 沖縄 麻痺の脛に蟻ら吟行のごときかな 439号 38
輿儀つとむ 沖縄 夜の村道明るい方言のあと吾れら 445号 38
輿儀つとむ 沖縄 谷底に石放るもう会えない人よ 448号 37
與儀つとむ 沖縄 ビルに抱かれて海の音聞く清掃夫 460号 38
輿儀つとむ 沖縄 十一月素足のごとく風かな 470号 38
輿儀つとむ 沖縄 噴水の悲しい先端車椅子 500号 38
輿儀つとむ 沖縄 自画像に傷加えたくなる敗戦忌 527号 38
横地かをる 愛知 鴎くるかもめのスピード夏来たる 426号 36
横地かをる 愛知 口に運ぶすずなすずしろ流離かな 432号 39
横地かをる 愛知 娘の子ども近江訛りで真みどりで 436号 37
横地かをる 愛知 老僧は土鈴のかたち冬の旅 443号 37
横地かをる 愛知 雨が来て声のふかぶか夏遍路 446号 38
横地かをる 愛知 冬の蝶集合写真の中にいる 451号 38
横地かをる 愛知 さりげなく雨を描く癖花卯木 456号 39
横地かをる 愛知 かなかなや母いて卵かけご飯 458号 39
横地かをる 愛知 春愁い目に余るほど自己愛しけり 466号 39
横地かをる 愛知 水底の蝌蚪の闇ですひとり旅 475号 38
横地かをる 愛知 雪暗れの何ほどもなく母を訪う 482号 37
横地かをる 愛知 こちら向く春のフクシマ放れ牛 495号 38
横地かをる 愛知 用もなく立ち寄る茸鑑定所 500号 39
横地かをる 愛知 黙座の父くろがねもちの実が赤い 502号 38
横地かをる 愛知 あとがきのよう白藤のまぶしくて 515号 38
横地かをる 愛知 わが家を掴み空蝉退屈す 518号 39
横地かをる 愛知 大気より命あおあお鳥渡る 519号 38
横地かをる 愛知 綿虫飛ぶ山がかたちになっている 520号 37
横地かをる 愛知 人日の村なり野馬の匂いのなか 523号 39
横山 隆 長崎 荒涼ともちがふ真赤なトマト一つ 427号 38
横山 隆 長崎 鐘は鳴り ゆめははだかの一部なり 437号 39
横山 隆 長崎 稲光り脳が一番柔らかい 447号 39
横山 隆 長崎 ぶッつかり蟻ぶッつかりぶッつかり 449号 38
横山 隆 長崎 ばななの皮一本分のばななの皮 462号 39
横山 隆 長崎 自動的に口が開くなり焼きなすび 468号 38
横山 隆 長崎 七十六歳になった野菊をおがむ 470号 39
横山 隆 長崎 夕暮れのじやがいも数へられてをり 482号 38
横山 隆 長崎 落葉降らすベンチと僕は無関係 501号 38
横山 隆 長崎 屋上ですずめが先に死んでゐた 504号 38
横山 隆 長崎 古詩おそろし茄子に水やる少年僧 515号 39
横山 隆 長崎 枯菊の一本全部ください 520号 38
横山 隆 長崎 梅一輪大いなる暗黒の土に 522号 38
横山 隆 長崎 暗黒や万朶の桜ではないか 525号 39
吉川渓美 埼玉 原爆忌静かな雨に傘湧けよ 459号 38
吉川真美 東京 旅終わる波が洗いし硝子掌に 428号 38
吉川真実 東京 冷奴トランプみたいに配りけり 448号 38
吉川真実 東京 ともす灯の匂い遺りし踏絵かな 464号 39
吉川真実 東京 十薬や二人は緩い坂が好き  476号 39
吉川真実 東京 東京は硝子の胸板雁渡る 480号 38
吉川真実 東京 十薬や踵あたりに夜が来て 496号 39
吉川真実 東京 星座つくるみたいにすみれの種を蒔く 505号 38
佳 夕能 富山 股引の二枚重ねや徘徊す 451号 39
佳 夕能 富山 夕月夜酒の肴の塩浸みる 468号 39
佳 夕能 富山 今朝の秋雲ひとつなく乳房あり 498号 38
佳 夕能 富山 8月15日特攻の父のリュックサック 528号 38
吉村伊紅美 東京 栗食めばわが身絵本の中にあり 450号 39
吉村伊紅美 東京 ポタージュに緑のパセリまるで恋 485号 38
吉村伊紅美 東京 手も足も饒舌になる老父の菊 501号 39
吉村伊紅美 岐阜 紙漉きの家に臨時の柿売り場 520号 39
吉村伊紅美 岐阜 長き夜や鉛筆削る無意識に 521号 38
吉村伊紅美 岐阜 墓まいり誘えば老母顔光る 529号 38
らふ亞沙弥 神奈川 汗かくと虫寄ってくる蛇逃げる 495号 39
らふ亜沙弥 神奈川 一夫一妻脱ぎにくそうな蛇の衣 497号 38
らふ亜沙弥 神奈川 九月尽ねずみの通る部屋に夫 499号 38
六本木伸一 群馬 清浄の雪降れ妹へ東北へ 493号 39
若林卓宣 三重 そのむかうに贔屓の梅が隠れてゐる 453号 39
若林卓宣 三重 一茶忌や雀のあそぶ土もなし 460号 39
若林卓宣 三重 二階から八百屋の上の初日拝む 472号 39
若林卓宣 三重 草を刈る音聞いてゐる無人駅 475号 39
若林卓宣 三重 空つぽのバスが遍路を抜いてゆく 524号 38
若林卓宣 三重 帰省とは隣のおかずまでわかる 527号 39
若森京子 兵庫 西行戻しといふも毛虫に羽生えて 426号 37
若森京子 兵庫 僧三人自然薯という厄介なもの 429号 38
若森京子 兵庫 銀やんま銀の運び屋のまなざし 449号 39
若森京子 兵庫 六畳のまぼろしのはは鶴帰る 454号 38
若森京子 兵庫 白底翳あの夕顔のひらきしまま 459号 39
若森京子 兵庫 麩の椀にごる真珠湾奇襲ありし日 481号 38
若森京子 兵庫 頭脳という厄介なもの鬼やんま 482号 39
若森京子 兵庫 浮島現象アンニュイな日向ぼこ 483号 38
若森京子 兵庫 授乳の汀しずかに被曝の波寄せる 488号 38
若森京子 兵庫 鼬に会釈やや加速する日常 490号 39
若森京子 兵庫 ふくしまや虹を観念的に画く 498号 39
若森京子 兵庫 野葡萄や内耳に軍靴のひびきあり 499号 39
若森京子 兵庫  追悼 八木三日女
椿の首ゆるめてあげよう三日女逝く
504号 39
若森京子 兵庫 絹のきもの解けば万のうすばかげろう 509号 39
若森京子 兵庫 獅子座流星群爪立ちて晩節よ 511号 39
若森京子 兵庫 臘梅やシルク・ロードの荷をほどく 513号 39
若森京子 兵庫 白内障かなしばらく暗い野の遊び 514号 39
若森京子 兵庫 レース着て佛心かろし武州の旅 516号 39
若森京子 兵庫 蛍火は太初の青さ生命線 517号 39
若森京子 兵庫 四肢軟弱のわれ山繭の重ね着美し 521号 39
若森京子 兵庫 弟よ背によみがえる芹の息 524号 39
若森京子 兵庫 原爆ドーム鳥籠のよう飛蚊症 528号 39
若森京子 兵庫 良夜なり壊れてしまった姉を抱く 529号 39
和田幸司 愛媛 枝豆を真ん中に置き抱きしめる 502号 39
渡部陽子 宮城 秋茄子やピカソの鼻の冷たさよ 429号 39
渡部陽子 宮城 無言劇もしくは春の燃えのこり 435号 38
渡部陽子 宮城 即興とは現世を隠す時雨かな 441号 39
渡部陽子 宮城 冬晴の螺旋階段口語体 442号 39
渡部陽子 宮城 独り身に刃の沈みゆく霜夜かな 443号 38
渡部陽子 宮城 女優とは表面張力冬の川 444号 39
渡部陽子 宮城 人間に猫用缶詰花粉症 455号 39
渡部陽子 宮城 雪催い忘却というけじめあり 463号 38
渡部陽子 宮城 ほら穴は暗算のよう花吹雪 465号 38
渡部陽子 宮城 逝く母の瞼はがして我見せん 480号 39
渡部陽子 宮城 お互いがひとつかみの藁母と我 481号 39
渡部陽子 宮城 薄味の蜆汁かな心霊写真 484号 38
渡部陽子 宮城 雪霏々とどこか濡れてる自己模倣 522号 39

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