金子兜太選 海程秀句」鑑賞 作者名索引

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作者名
地域
番号 
永井 幸 福井 長き夜や嗚呼診断書の簡潔さ 429号 25
永井 幸 福井 夜の秋人はしゃがんで考える 450号 24
永井 幸 福井 小鏡に雪ちらちらと巨石群 452号 22
永井 幸 福井 花満開いつも無口な樹の力 465号 22
永井 幸 福井 砂時計逆さに置けば明け易し 475号 24
永井 幸 福井 秋の風清潔すぎる翅音だなあ 501号 22
永井 幸 福井 ががんぼは腕立て伏せして老いてゆく 508号 23
永井徹寒 東京 春の愁ひ皆子夫人にもらった人形 425号 28
中内亮玄 福井 小鳥来る二羽は間違いなく雀 509号 23
中内亮玄 福井 春隣りいつか鰐だった鞄 516号 27
中内亮玄 福井 鼻すする遥かへ菜花ひかりおり 527号 24
中尾和夫 宮崎 いじめなしとは言わせぬぞ穴惑い 430号 26
中尾和夫 宮崎 八月の般若心経うおんうおん 448号 25
中尾和夫 宮崎 照葉樹林無頼もお通し下さるか 457号 28
中尾和夫 宮崎 ひとりごつ癖寒波にも仏にも 463号 22
中尾和夫 宮崎 サックスよりあふれでてくるひなあられ 465号 23
中尾和夫 宮崎 水中花臓器切ったり繋いだり 468号 27
中尾和夫 宮崎 偉夫急逝春雨は音立てぬもの 484号 24
中尾和夫 宮崎 八月や骸となりしものあまた 488号 26
中尾和夫 宮崎 クローバーに踏み込みまろび金婚なり 496号 26
長尾向季 滋賀 自画像は嘘ついてゐる温め酒 482号 24
長尾向季 滋賀 蛇穴へさうして誰もゐなくなる 490号 23
長尾向季 滋賀 冬の橋貌なしばかり映るかな 492号 25
長尾向季 滋賀 うそ寒や自動販売機礼を言ふ 500号 27
長尾向季 滋賀 わが死後はあの綿虫の中ならむ 502号 26
長尾向季 滋賀 余震また弟切草を踏むなかれ 504号 24
長尾向季 滋賀 詫び立ちはおほかた三人浮いてこい 518号 25
長尾向季 滋賀 初夏ひとり恥はらふかに奇声出づ 526号 27
長尾向季 滋賀 萩の声累々と魄ながれゆく 529号 24
中島伊都 栃木 日脚伸ぶ両手一ぱい水の私語 444号 24
中島伊都 栃木 どんと火に夫婦の古しラブレター 472号 27
中島伊都 栃木 大勢とはこんな音かや蜆汁 473号 25
中島伊都 栃木 男体山も介護の仲間顔を見す 490号 24
中島伊都 栃木 猫逝きて誰もやぶかぬ障子張る 501号 23
中嶋伊都 栃木 大笑いのごとくに鮟鱇の口残る 503号 28
中島偉夫 宮崎 二百十日歯科医に歯茎つつかるる 429号 26
中島偉夫 宮崎 引退のピエロに重き夜食かな 430号 27
中島偉夫 宮崎 冬野の灯一つは押しかけ女房ん家 433号 24
中島偉夫 宮崎 家よりも芭蕉大なる夜涼かな 437号 23
中島偉夫 宮崎 病葉を焚き目じるしとしたりけり 445号 26
中島偉夫 宮崎 冷まじや小顔長脛崇められ 453号 25
中島偉夫 宮崎 巧者なるうぐいすに遇う白髪かな 455号 22
中島偉夫 宮崎 なぜにわれ癌病棟に秋刀魚賞づ 460号 27
中島偉夫 宮崎 マチュピチュに在るごとく座す蒲団かな 462号 27
中島偉夫 宮崎 土筆さえ深く呼吸する体なるに 463号 23
中島偉夫 宮崎 伊勢参り飛魚の目線で湾渡る 466号 24
中島偉夫 宮崎 茄子を焼く底光りするをんな来て 468号 28
中島偉夫 宮崎 いくたりか陰も映して田を植える 476号 26
中島まゆみ 埼玉 母逝きて二人静は咲かぬなり 467号 28
中島まゆみ 埼玉 散骨の亡夫岩になれ夏の山 469号 26
中島まゆみ 埼玉 蕨一本赤子に持たす春だよ 476号 27
中島まゆみ 埼玉 木の実こつんこつんあばら家の吾に 482号 25
中島まゆみ 埼玉 フルーツポンチにびわの実ありし亡夫
とありし
489号 26
中島まゆみ 埼玉 花筵の孫軍靴履くなよ 494号 28
中島まゆみ 埼玉 昔確かに母さん言ったよ虫すだく 501号 24
中島まゆみ 埼玉 ふらここふたつ一つは孫に一つは富士に 506号 26
中島まゆみ 埼玉 鰹群来孫らの未来おぼつかな 507号 29
中島まゆみ 埼玉 土笛か鳥かけものか富士は初夏 508号 24
中島まゆみ 埼玉 風呂吹や不意打ちくらいつつ人生 513号 27
中島まゆみ 埼玉 真菰枯る亡父は戦病死とう戦死 514号 22
中島まゆみ 埼玉 百合の名を覚えし孫よ戦さあるな 520号 22
中島まゆみ 埼玉 一人居はときどき枯野に道捜す 523号 26
中島まゆみ 埼玉 静かなる青空持ちて春の野は 526号 28
中島まゆみ 埼玉 春の野に巨樹あり蘖を育て 527号 25
長嶋武治 埼玉 冬至南瓜日向で爆発し損なう 461号 25
長島武治 埼玉 遠い雷鳴園児五人に母五人 487号 22
長島武治 埼玉 米寿まだ水切り遊び負けたくない 488号 27
中田里美 東京 生活のそよそよ蜥蜴匂うかな 429号 27
中田里美 東京 霞食べている父のようでもあり 433号 25
中田里美 東京 大鷺を書き置きのようにかな 434号 27
中田里美 東京 くちなしやあらゆる雨の浅葱色 437号 24
中田里美 東京 守宮のどこにも力が入っていない 447号 28
中田里美 東京 ああ風が出てきたいちめんの十月 450号 25
中田里美 東京 少年来て「ん」のように眠る 451号 27
中田里美 東京 矢車草コーヒーがにがてです 460号 28
中田里美 東京 みみずなくかの方丈記あたりまで 466号 25
中田里美 東京 ささくれや山茶花の白が痛いのです 521号 24
永田タエ子 宮崎 たましいと思う朝霧父徘徊 424号 24
永田タエ子 宮崎 邂逅は高野閃光つばくらめ 446号 23
永田タヱ子 宮崎 呟きか人間らしく鳴くふくろう 448号 26
永田タヱ子 宮崎 命日や蛇足なかりしなめくじら 449号 24
永田タヱ子 宮崎 どんど焼はたと論客逝きしかな 453号 26
永田タヱ子 宮崎 おとうとは風かもしれぬ鶴帰る 465号 24
永田タヱ子 宮崎 さくら狩さくらのままの母帰る 524号 24
中塚紀代子 山口 寒に入る目下のところただの猫 482号 26
中塚紀代子 山口 私に白鳥大きな胸見せる 520号 23
中塚紀代子 山口 よく生きて首をいたわる柚子湯かな 523号 27
長野祐子 東京 結論は自愛であると牛蛙 445号 27
長野祐子 東京 見納めと決めし開聞岳日雷  478号 27
長野祐子 東京 待ちし子はとんぼがえりよ雨月なる 490号 25
中原 梓 埼玉 春羊よ雲はゆったりどっしりどっしり 425号 29
中原 梓 埼玉 風邪に寝て切らるる花を見ていたり 433号 26
中原 梓 埼玉 眠くなれば見えぬ目も閉ず浜昼顔 437号 25
中原 梓 埼玉 榕樹や駒鳥の如悦なる人 444号 25
中原 梓 埼玉 葱刻むトルコマーチをゆつくりゆつくり 450号 26
中原 梓 埼玉 蜘蛛の囲にとらわれこの世まだ信ず 457号 29
中原 梓 埼玉 宮古島にも下町がある猫の恋 494号 29
中原 梓 埼玉 郭公や森のはずれの茫として 516号 28
中原 梓 埼玉 蜂一匹山ふるわせる下山かな 517号 24
中林栄子 神奈川 蛇行なくばただの死の河雪解待つ 434号 28
ナカムラ薫 アメリカ ココナッツ母国語すでにおぼつかな 523号 28
中村加津彦 長野 ニートばかり陽に固まって薄暑です 433号 27
中村加津彦 長野 荒ぶること少しさすらう水の蛍 446号 24
中村加津彦 長野 落日しかし海が終わったわけでもない 450号 27
中村加津彦 長野 陽とトランペット探す滑走路の枯野 452号 23
中村加津彦 長野 帰るところがないさくらの下にいる 455号 23
中村加津彦 長野 夕日の果て音たて水を落してきた 457号 30
中村加津彦 長野 おぼろですが道まっすぐに水の地平 465号 25
中村加津彦 長野 影というもの濃くなってから歩く 477号 30
中村加津彦 長野 あえて言えば消滅の音だ吹雪 513号 28
中村加津彦 長野 日は海を出て戦争をみて沈む 524号 25
中村 晋 福島 秋燕や水が水呼ぶように握手 460号 29
中村 晋 福島 ぽつんと母こつんと眼鏡置いて冬 472号 28
中村 晋 福島 陽炎や被爆者失語者たる我ら 475号 25
中村 晋 福島 フクシマよ夭夭と桃棄てられる 477号 29
中村 晋 福島 被曝者であること蠅を逃がすこと 479号 24
中村 晋 福島 月夜茸被曝の我もどこか光る 480号 20
中村 晋 福島 シリウスの白よフクシマただ寒き 482号 27
中村 晋 福島 母子草ふくしま去らぬ父祖たちに 484号 25
中村 晋 福島 被曝の土に被曝の翅を蝶が曳く 485号 24
中村 晋 福島 冬蠅を逐う手よ核に逐われし手 491号 25
中村 晋 福島 被曝の戸も住み替る代ぞ青大将 497号 28
中村 晋 福島 ナガサキよ首なき像を噛む蜻蛉 498号 28
中村 晋 福島 流星や被曝者被爆者と握手 499号 26
中村 晋 福島 フクシマや冬蠅光らせて逃がす 501号 25
中村 晋 福島 田を植える人よ夕日とフクシマ負い 506号 27
中村 晋 福島 荒庭や蛇が横たう被曝の戸 507号 30
中村 晋 福島 被爆地に雨被爆地に雨とやませ 508号 25
中村 晋 福島 フクシマの寒暮吾が子へシリウス指す 512号 21
中村 晋 福島 フクシマよいくたび戻りくる蠅よ 516号 29
中村 晋 福島 フクシマにひばり誰にでも尊厳 517号 25
中村 晋 福島 秋の田よかりほのフクシマの人々 519号 29
中村 晋  福島 雪とけて村いっぱいの除染ごみ 523号 29
中村 晋 福島  自宅除染終わる
蛾光るよ被曝の土を埋めし土も
524号 26
中村 晋 福島 曳く蟻に行く蟻何か言うて光る 525号 26
中村 晋 福島 人間よ万緑をどう除染する 528号 27
中村孝史 宮城 緑とは孤を深む色梅雨晴間 427号 24
中村孝史 宮城 印象は未完がよけれキャンプの火 428号 25
中村孝史 宮城 腰痛の一本もなき芽吹きかな 435号 27
中村孝史 宮城 憲法を若しと思う花水木 445号 28
中村孝史 宮城 齢来て妻の昼寝をいたわりぬ 446号 25
中村孝史 宮城 老い母の膕見える夏の家 447号 29
中村孝史 宮城 嫌いです蔓菜お浸し迷彩服 450号 28
中村孝史 宮城 冬青空闇を思うて何になる 453号 27
中村孝史 宮城 無いはずの帰心植田に映りけり 456号 26
中村孝史 宮城 即物的な市民祭のあかとんぼ 459号 23
中村孝史 宮城 冬月や悪事をせぬに家遠し 461号 26
中村孝史 宮城 二杯酢で海鞘食べるため洗顔す 466号 26
中村孝史 宮城 押し花のように閑なり睦月なり 472号 29
中村孝史 宮城 春山のくっきり濃く見ゆ地震以後 474号 29
中村孝史 宮城 がれずに皆木守柿フクシマは 481号 23
中村孝史 宮城 生きるとは冬の土手行く腕の振り 482号 28
中村孝史 宮城 水着着て十指多しと思わんか 488号 28
中村孝史 宮城 忸怩とは父思うこと梅の花 493号 24
中村孝史 宮城 滅相な少女のあくび梅雨上る 497号 29
中村孝史 宮城 老人は姿勢を正す冷房車 498号 29
中村孝史 宮城 白障子たまの独り寝諾えり 501号 26
中村孝史 宮城 天命のいくばくとぞや雑煮餅 523号 30
中村真知子 三重 看板に畑と案山子貸します 488号 29
中村真知子 三重 夜神楽へ臨時列車の来ておりぬ 491号 26
中村真知子 三重 水音の元気な家に嫁が君 492号 26
中村真知子 三重 ミツバチの中にもニートいるらしい 495号 28
中村真知子 三重 闇討のように鹿鳴く峠道 501号 27
中村真知子 三重 村の葬寒九の雨を待たせおり 512号 22
中村真知子 三重 子守歌のように作りし卵酒 513号 29
中村真知子 三重 神の留守社務所は終夜酒盛りや 522号 22
中村道子 静岡 亡夫の髪なでたくて居る無月かな 490号 26
中村道子 静岡 月追って時々俳句ずっと酒 500号 28
中村道子 静岡 遠耳の兄弟が寄り田を植える 506号 28
中村道子 静岡 捨てられぬ亡夫の歯ブラシ茶立虫 509号 24
中村道子 静岡 呆けし人に確かな記憶冬の橋 513号 30
中村道子 静岡 狐火や鬱の字□に収まらず 522号 23
中村裕子 秋田 花こぶし軽い肉体感咲いた 425号 30
中村裕子 秋田 すだち酸っぱし必修逃れなどありて 431号 27
中村裕子 秋田 すり足の清少納言夜の秋 458号 29
中村裕子 秋田 寒月光気管に入りぬさきみたま 461号 27
中村裕子 秋田 鳥雲に躰にごっていたりけり 464号 24
中村裕子 秋田 ひかりとは盗賊かもめ母を拭く 466号 27
中村祐子 秋田 老いること知らず大暑の日本海 477号 31
中村裕子 秋田 身辺に鈍器などなし夏の家 478号 28
中村裕子 秋田 逝く力残しておこう霜の声 480号 21
中村祐子 秋田 カッコーの声入りごはん炊けている 485号 25
中村裕子 秋田 木の家は淋しき巣穴冬の雷 492号 27
中村裕子 秋田 リラ冷えや物申すとき口うごく 496号 27
中村裕子 秋田 目覚めては働くこがらしの風下で 500号 29
中村裕子 秋田 山二つ窓に賜る敗戦日 508号 26
中村ヨシオ 和歌山 紀の川を横一文字に茅花流し 434号 29
中村ヨシオ 和歌山 妻のわがまま恐ろし可笑しヒアシンス 455号 24
中山蒼楓 富山 左足越えて右足耕せり 434号 30
中山蒼楓 富山 鳥の頭一瞬白し細雪 452号 24
中山蒼楓 富山 蒟蒻玉に裏表なし山の守 459号 24
中山蒼楓 富山 毒茸七つも生えて妙な家 461号 28
中山蒼楓 富山 春愁やポストに海抜の文字 484号 26
中山蒼楓 富山 左義長に来し番長の老いにけり 493号 25
中山蒼風 富山 悠久や河蛇のごとく蛇河のごとく 503号 29
梨本洋子 長野 無言館もう一度あなたの瞳みつめる 439号 25
梨本洋子 長野 顔寄せていわし雲みる見舞かな 440号 26
梨本洋子 長野 すべる橋絵踏みのように足を置く 493号 26
梨本洋子 長野 後の月漱石の妻好きになる 529号 25
夏谷胡桃 岩手 白鳥帰る国境あたりで糞をして 504号 25
夏谷胡桃 岩手 武器持てば武器欲しくなる聖誕祭 511号 32
夏谷胡桃 岩手 誠実なあなたの吃音蝶が来る 515号 23
夏谷胡桃 岩手 蝶よりも軽い魂にさようなら 524号 27
夏谷胡桃 岩手 独り居の星食べるよう猫まんま 526号 29
夏谷胡桃 岩手 アフリカの乳房に流れ夏の雨 529号 26
並木邑人 千葉 蘭奢待なる酒酌みて月を消す 497号 30
並木邑人 千葉 木守柿になりたい人は登りなさい 501号 28
並木邑人 千葉 冬耕やコトバはココロに追いつけぬ 502号 27
並木邑人 千葉 雁皮紙やホットミルクの膜ねぶる 515号 22
並木邑人 千葉 肝試しどこの村にも村はずれ 518号 26
並木邑人 千葉 赤の他人六人寄れば芋煮会 521号 25
成田恵風子 福井 老いは鬱日がな穿る啓蟄の穴 464号 25
成田恵風子 福井 目刺し三匹の夕餉最小不幸というか 468号 29
成田恵風子 福井 急がずとも身辺すでに冬ざるる 491号 27
成井惠子 茨城 蜃気楼ときどき飛沫になる礁 434号 31
成井恵子 茨城 日に一度土に帰りて蟾蜍 457号 31
成井惠子 茨城 夫藍濃しことば超えたる母の遺書 521号 26
新野祐子 山形 太古より空埋める星鮭のぼる 509号 25
新野祐子 山形 蛇の衣眼の痕のつややかに 519号 30
新野祐子 山形 甘くならない葡萄のように中年過ぐ 529号 27
西又利子 福井 もう空へ入りきれない星が飛ぶ 481号 24
西又利子 福井 雪野原唄の行きたい所まで 482号 29
西又利子 福井 代掻機田の切れ端を持ち帰る 496号 28
西又利子 福井 雪原の起伏は神の鞍だろう 512号 23
西又利子 福井 文盲の祖母なり蛇と語るなり 515号 24
西又利子 福井 人の句に打たれし頭冬に入る 521号 27
仁田脇一石 宮崎 石蕗の花岩は真黒の芯を抱く 450号 29
仁田脇一石 宮崎 鬼蜘蛛をやんわりと踏む廊下かな 498号 30
新田幸子 滋賀 どう見てもクリムト姉の春衣かな 445号 29
新田幸子 滋賀 万緑や馬の背中のアルルカン 446号 26
新田幸子 滋賀 ああ世阿弥男色なりや土用波 448号 28
新田幸子 滋賀 目鼻とんで君達の今青の時代 458号 30
新田幸子 滋賀 百日紅真昼おもたき瞼よ 469号 27
新田幸子 滋賀 ファスナーに男手を借るパリー祭 497号 31
新田幸子 滋賀 初夏の母よ箪笥の鐶が鳴る 506号 29
新田富士子 愛媛 点滴が血となり夜の雷去りぬ 438号 28
新田富士子 愛媛 凍蝶と隣り合せの握り飯 441号 28
新田富士子 愛媛 鬼ごっこの鬼に乳房のある暑さ 457号 32
丹生千賀 秋田 海鳴りを落さぬように葱坊主 435号 28
丹生千賀 秋田 クレヨンの蓋あいており返り花 440号 27
丹生千賀 秋田 青田抜け来て度忘れのような街 446号 29
丹生千賀 秋田 初蝉やまだ唇のやわらかし 448号 27
丹生千賀 秋田 涅槃図の端数のように座りたる 464号 26
丹生千賀 秋田 残像にしては田青過ぎる 480号 22
丹生千賀 秋田 駅弁の中までずっと春の田です 485号 26
丹生千賀 秋田 どこまでも青田や鋲など打ってない 487号 23
丹生千賀 秋田 新米を一合研いで海鳴りや 489号 27
丹生千賀 秋田 夏の朝のんのん喋ってから坐禅 497号 32
丹生千賀 秋田 地吹雪や輪郭という刺さるもの 512号 24
丹生千賀 秋田 初燕いくつ刹那を抱いて来し 515号 25
丹生千賀 秋田 毛虫急ぐ痒くなるまでいそぐ 526号 30
丹生千賀 秋田 蛇穴に入る肺活量をふやしたか 529号 28
根岸暁子 群馬 みんなしてががんぼのような握手 424号 25
根岸暁子 群馬 水ばかり描く老画家の渇水期 440号 28
根岸暁子 群馬 ありし日の君は真水か梅咲いた 443号 28
根岸暁子 群馬 鏡面のかまきり昏む捨田かな 466号 28
根岸暁子 群馬 茎立ちやうかつに他人をなつかしむ 468号 30
根岸暁子 群馬 真っ当な花の生命を差し上げる 473号 26
根岸暁子 群馬 日常を左右にこぼし水温む 483号 27
根岸暁子 群馬 陽炎や人がときどき入れ替わる 495号 29
根岸暁子 群馬 春障子揺れる肉体建てかけて 502号 28
根岸暁子 群馬 もしかしてしゃがみっぱなしの夜の蛙 518号 27
野崎憲子 香川 わくらばや浮いて光の耳となれ 426号 24
野崎憲子 香川 残雪や浄土平に千の月 427号 25
野崎憲子 香川 雷あびて金剛力の蟻となる 437号 26
野崎憲子 香川 落日のもつとも春の息吹かな 445号 30
野崎憲子 香川 蝶になるため強烈にひきこもる 446号 27
野崎憲子 香川 夏の月み熊野という怒濤かな 447号 30
野崎憲子 香川 勺玉は冬の怒濤のにほひかな 452号 25
野崎憲子 香川 蠍座は尾を磨くらむ冬籠 453号 28
野崎憲子 香川 ヒロシマの石に言の葉うましめよ 458号 31
野崎憲子 香川 釣瓶落しこの位置は譲れない 459号 25
野崎憲子 香川 落椿猪の骸でとまりけり 463号 24
野崎憲子 香川 雁や野をかき切つて夕日川 470号 23
野崎憲子 香川 猪の眼に寒満月の怒濤のみ  472号 30
野崎憲子 香川 笑うたなと風船売りの振り返る 474号 30
野崎憲子 香川 春の雷たまたま隣り合つただけ 475号 26
野崎憲子 香川 滴りのたまゆら鳥の形せり 477号 32
野崎憲子 香川 蠍座の尾が入りけり燧灘 478号 29
野崎憲子 香川 コスモスやときには風のおもちや箱 479号 25
野崎憲子 香川 しやぶりつくせと冬霧の眼かな 481号 25
野崎憲子 香川 猪も鴉も素足ひかり巻く 482号 30
野崎憲子 香川 国宝とふ小さき器よ雪が降る 483号 28
野崎憲子 香川 本能は水に映れりほうたる 486号 31
野崎憲子 香川 白蛇ゆく猛烈にゆく源流へ 487号 24
野崎憲子 香川 螢とぶ北斗七星のあたり 497号 33
野崎憲子 香川 暁闇の草の根の音睦月かな 503号 30
野崎憲子 香川 残雪や黒髪の根の焦げ臭き 504号 26
野崎憲子 香川 ヒロシマナガサキそしてフクシマ田水張る 506号 30
野崎憲子 香川 白南風や裏木戸を開けて日輪 508号 27
野崎憲子 香川 身の中の荒野青条揚羽かな 509号 26
野崎憲子 香川 月光の響くばかりや水の星 511号 33
野崎憲子 香川 恋せよ乙女遠くて近き冬北斗 513号 31
野崎憲子 香川 前衛とふ始原の眼花ひらく 514号 23
野崎憲子 香川 掌にたまる囀り貌洗ふ 515号 26
野崎憲子 香川 雲は詩を泉は玉を描くかな 517号 26
野崎憲子 香川 小鳥来る被爆マリアの眼窩より 520号 24
野崎憲子 香川 大いなるいのちのなかや冬銀河 522号 24
野崎憲子 香川 身の中は噴火口なり揚羽蝶 527号 26
野田信章 熊本 老いて斉しく呟くいのち春干潟 425号 31
野田信章 熊本 花大根愚痴なき母に逢う怖さ 426号 25
野田信章 熊本 魚籃観音春の葉っぱの無尽蔵 427号 26
野田信章 熊本 枇杷は実に独居老人音読す 436号 25
野田信章 熊本 鳥雲にわれらビキニ忌を忘却 445号 31
野田信章 熊本 秋比叡湖から歩いて来た青年 449号 25
野田信章 熊本 湖に明神われに耳鳴りの五月 456号 28
野田信章 熊本 不断念仏とは秋猿の毛づくろい 461号 29
野田信章 熊本 口蹄疫牛屠る夏星雫せよ 467号 29
野田信章 熊本 初音あり線刻の陰凝灰岩に 473号 27
野田信章 熊本 鶯あまりに近しよ老僧赤面す 474号 31
野田信章 熊本 花枸橘ははに戦意のありしこと 476号 28
野田信章 熊本 なんじゃもんじゃ守武千句の地なりけり 477号 33
野田信章 熊本 五体にしみる秋草の青津波痕 479号 26
野田信章 熊本 野に白露仮設に結露フクシマよ 482号 31
野田信章 熊本 ふっと誕生仏のくらさ森林浴 485号 27
野田信章 熊本 蛇が行き人間行き大賀蓮開花 488号 30
野田信章 熊本 風の一日の駱駝に夏毛人に黙 496号 29
野田信章 熊本 耳鳴り否夏コオロギの爆心地 497号 34
野田信章 熊本 口開くは酷暑の鳥葬後のわれ 499号 27
野田信章 熊本 紅葉谷雑多に老いしわれら映え 502号 29
野田信章 熊本 骨の音とも違う空缶潰して春 515号 27
野田信章 熊本 吊し雛水光の暮らしのまん中に 516号 30
野田信章 熊本 戦を語る義父よ秋ぐみ噛むように 521号 28
野田信章 熊本  悼 北原志満子先生
鵲の野を知る人夏の笑み深し
524号 28
野田信章 熊本 夜の地震臓腑に及ぶ立夏かな 525号 27
野田信章 熊本 地震の顔ばかり立夏の城下かな 526号 31
野田信章 熊本 汗して旅草奔の語の鮮しく 527号 27
野原瑤子 神奈川 だまし絵の浮遊感なり昼寝覚め 449号 26
野原瑤子 神奈川 美作の駅の白桃旅にあり 469号 28
野原瑤子 神奈川 地にカメラ大仏の掌に四十雀 485号 28
野原瑤子 神奈川 多勢の肉焼けており海桐の実 499号 28
野原瑤子 神奈川 予感とも岬に上る鷹柱 512号 25
野原瑤子 神奈川 陽炎と連れ立ち大きなひとりごと 514号 24
野原瑤子 神奈川 秋暑し準優勝とう敗者あり 521号 29
野原瑤子 神奈川 花木槿女名多き合葬簿 523号 31
野原瑤子 神奈川 揚雲雀手話のおしゃべり寝転びて 524号 29
野原瑤子 神奈川 青鬼灯板碑の文字のかすかなる 529号 29
野間口千賀 鹿児島 小鳥屋のとなり むっつりとして大河 443号 29
野間口千賀 鹿児島 瀕死の鷲抱き獣医たらんか苔の花 446号 28

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