金子兜太選 海程秀句」鑑賞 作者名索引

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作者名
地域
番号 
田井淑江 東京 嘆きの壁伝うヤモリにカシオペア 489号 19
田井淑江 東京 禁じられた遊びのように霜柱 511号 26
高井元一 埼玉 みみず掘る鷄もわれらも住み古りて 438号 22
高井元一 埼玉 はらからや分水嶺の蝉時雨 472号 24
高尾久子 富山 昔々兄二人いてねぶか汁 504号 20
高木一惠 千葉 楷若葉幼き彼と彼女たち 425号 22
高木一恵 千葉 うすものや女を出でて私なり 427号 18
高木一恵 千葉 あさがおや仕事の鬼とう吾子貧し 429号 22
高木一惠 千葉 ピノキオは未だ木の鼻小鳥来る 430号 22
高木一恵 千葉 腕立てて伏せてぺしゃんこ目借時 435号 21
高木一恵 千葉 遺伝子に忘れる仕組み籠まくら 438号 23
高木一惠 千葉 夕焼けるために山巓高野槙 445号 18
高木一惠 千葉 群れ昇る恍惚あらん鷹柱 452号 16
高木一恵 千葉 水餅の弱りや水の淋しさに 453号 19
高木一恵 千葉 孕みたる蝮や地霊添うごとし 458号 21
高木一恵 千葉 新米に麦少し入れ仲良きかな 459号 16
高木一恵 千葉 母の日や夫怒らすも母ゆずり 465号 19
高木一恵 千葉 鰹一本ノーネクタイの背広で来 466号 18
高木一惠 千葉 特攻花ゴルフボールを隠しけり 468号 23
高木一惠 千葉 嗚呼きのこ被曝の傘をひろげたる 479号 20
高木一惠 千葉 母がりの淡き酩酊ひょんの笛 480号 15
高木一惠 千葉 余震なお倒木が抱く蝌蚪の水 484号 18
高木一惠 千葉 国生みの矛にもぐらの春の土 485号 20
高木一惠 千葉 抜け殻は見えず噂のやまかがし 488号 22
高木一惠 千葉 へちま忌や筆談の文字正されて 489号 20
高木一惠 千葉 旧仮名は媚薬のごとし初神籤 492号 20
高木一惠 千葉 淡雪やわれに土偶のまろき腹 493号 20
高木一惠 千葉 蛇裂きて鷹の子育て余念なし 494号 20
高木一惠 千葉 爆心柱きみ渾身の新樹なり 496号 22
高木一惠 千葉 遠花火母には別のパスワード 499号 22
高木一惠 千葉 隙間風塞ぎきったる淋しさよ 501号 15
高木一惠 千葉 美しい卵が二つ冬の家 502号 20
高木一惠 千葉 少年に雛のうす闇はずかしき 503号 20
高木一惠 千葉 啓蟄や川から畑へ水運ぶ 506号 20
高木一惠 千葉 古りしわが五体百態ねむの花 507号 24
高木一惠 千葉 みちのくの沈みきれない紙の雛 516号 24
高木一惠 千葉 特攻悲話に酔うてはすまぬ敗戦忌 518号 20
高木一惠 千葉 新年の喪や洗面器あたらしき 522号 17
高木一惠 千葉 巣燕にわれも口開く喪明けかな 525号 19
高木一惠 千葉 青鹿に青嶺国なき人ら充ち 529号 22
高桑弘夫 千葉 心電図見ており眼窩意識して 435号 22
高桑弘夫 千葉 瞑想をしている豆が撒かれおり 454号 22
高桑弘夫 千葉 秋の蟻やたらに首を回しおり 450号 18
高桑弘夫 千葉 行くところあるから渡る雁の棹 471号 22
高桑弘夫 千葉 生きる面倒死ぬる億劫あみだくじ 492号 21
高桑弘夫 千葉 麗かやうららは頭痛持ちの歌 493号 21
高桑婦美子 千葉 正論で破蓮までを歩けるか 431号 20
高桑婦美子 千葉 堕天使の翼色して白菜は 434号 21
高桑婦美子 千葉 釣舟草軽いものから船出する 440号 21
高桑婦美子 千葉 寒牡丹凝視というは魔性なり 443号 26
高桑婦美子 千葉 眠りとはゆるぎなきもの大賀蓮 457号 23
高桑婦美子 千葉 泣くものに勝ってどうする茄子植える 466号 19
高桑婦美子 千葉 熱帯夜街に変電所が浮かぶ 469号 23
高桑婦美子 千葉 秋風よむかし投石という兵器 470号 17
高桑婦美子 千葉 沈黙のはじめに春の放射能 495号 21
高桑婦美子 千葉 秋暑し国家民草花林糖 500号 23
高桑婦美子 千葉 美談いつまで枯野の荼毘に間に合わぬ 502号 21
高桑婦美子 千葉 春眠に少しまじりて死の匂い 504号 21
高桑婦美子 千葉 猫じゃらしひとり遊びに一時間 510号 19
高桑婦美子 千葉 土鍋鉄鍋またこの冬を喰うている 511号 27
高桑婦美子 千葉 水の動きは途方もなくて冬の風 512号 16
高桑婦美子 千葉 蓮の花存在にまず水がある 517号 19
高桑婦美子 千葉 この花とこの世にありて蓮の池 526号 22
高澤竹光 滋賀 惚うけるや八十八夜ののんど鳴る 445号 19
高澤竹光 滋賀 花盛り髪の毛ちょっと残るかな 454号 23
高澤竹光 滋賀 今むかし花火着て寝る湖族かな 458号 22
高沢竹光 滋賀 がばっと起つえいざん北のおいらくよ 462号 22
高階時子 秋田 春蘭や母を裏切る恋をして 524号 20
高階時子 秋田 てこぼこの顔でこぼこの日焼け止め 529号 21
高田ヨネ子 愛媛 日めくりの痩せて狐につままれる 461号 19
高田ヨネ子 愛媛 恋の猫月光浄土横切りぬ 470号 18
高橋明江 埼玉 葱刻むいくさ絶えざる地球昏る 453号 20
高橋明江 埼玉 満月や死ぬことの不思議なけれど 429号 24
高橋明江 埼玉 自由とは包丁で切る心太 434号 22
高橋明江 埼玉 冬の噴水サラダ感覚の眺望 482号 20
高橋明江 埼玉 偶然は畏敬に通ず帰り花 502号 23
高橋明江 埼玉 星の寿命の最後は爆発合歓の花 508号 17
高橋明江 埼玉 音のない時計ばかりや閑古鳥 516号 25
高橋明江 埼玉 蛮声の記憶の父の鬼やらい 523号 23
高橋一枝 埼玉 山桑黄葉流星のごと旅にねむる 461号 20
高橋一枝 埼玉 山茱萸眩し老い込むなんて不似合な 474号 23
たかはししずみ 愛媛 いづれ我の溟へ戻れよ水澄 426号 20
たかはししずみ 愛媛 先生は呑気な金魚のかたちして 428号 20
たかはししずみ 愛媛 母に添え父にぶつかれ小鯵刺 438号 24
たかはししずみ 愛媛 燕が来れば祖母はきれいな手紙書く 454号 24
たかはししずみ 愛媛 せめて今は子を抱く母で原爆忌 458号 23
たかはししずみ 愛媛 祖父は裸木散策のたびすれ違う 501号 16
たかはししずみ 愛媛 淀みなく産み次々牡蠣を揚げている 502号 22
たかはししずみ 愛媛 若き死に添えば背中は冬の凪 521号 17
たかはししずみ 愛媛 七夕を最期にえらび祖母眠る 527号 18
高橋 喬 新潟 昨日まで春耕の婆なり柩なり 424号 19
高橋 喬 新潟 梅雨荒れを喝采といふ病臥かな 437号 19
高橋 喬 新潟 尿漏れの妻菜の花に少女となる 454号 25
高橋 喬 新潟 米作れぬ被災者見てる吾れ田打つ 475号 18
高橋たねを 兵庫 すこし猫背アンダルシアの日雷 429号 23
高橋たねお 兵庫 ロバに帽子冥王星の祀りです 430号 23
高橋たねを 兵庫 猫に髭父に北斗の光すこし 431号 21
高橋たねを 香川 ふくらはぎ痙るままにピーマンは函に 436号 22
高橋たねを 香川 杼の音すこし青柿の玉に籠れる 437号 20
高橋たねを 香川 嫁が君鳴かせてわが家すこし窮屈 442号 21
高橋たねを 香川 花八つ手金酔えば朴さびしいよ 452号 17
高橋たねを 香川 人間の子を玉と掴むや青葉木菟 456号 20
高橋たねを 香川 老斑か豹紋か枇杷の種飛ばす 463号 17
高橋たねを 香川 おなじ眸をして華人韓人川とんぼ 469号 24
高橋総子 埼玉 蛇穴に私は歩むペンギン 426号 21
高橋総子 埼玉 無造作に父水仙を病む母に 430号 24
高橋総子 埼玉 霾りて狭まる吾が瞳脅かす 451号 23
高橋 碧 群馬 竹皮を脱ぎわれにも帰る家 425号 23
高橋 碧 群馬 よく晴れて日向が重し榠の実 449号 22
高橋 碧 群馬 秋の婚神鏡何も写さざる 450号 19
高山紀子 秋田 残雪を掻きて息吐く輪廻かな 424号 20
高山紀子 秋田 ほととぎす消息通はよく食べる 446号 17
高山紀子 秋田 書くという小さな疲労バラが咲く 486号 27
滝沢泰斗 千葉 三竦みの下に難民冬間近 519号 21
瀧 春樹 大分 嫁が来て村に小鳥の樹が殖える 440号 22
瀧 春樹 大分 龍の玉昨日落した目の鱗 443号 27
瀧 春樹 大分 道鏡に巨根の逸話猪が出る 450号 20
瀧 春樹 大分 死ぬまで戦後秋冷へ割木積む 459号 17
瀧 春樹 大分 歯を洗う朝氾濫の河があり 467号 23
瀧 春樹 大分 鷹の爪熟れたり朝寝していたり 471号 23
瀧 春樹 大分 言の葉は瓦礫にならず龍の玉 483号 21
瀧 春樹 大分 折り鶴も解けば紙片震災忌 486号 28
瀧 春樹 大分 彼岸花日本にヒト住めぬ場所 491号 20
瀧 春樹 大分 断層は地球の生傷みちのく忌 494号 21
瀧 春樹 大分 人も胡瓜も貧乏揺すりの後曲る 509号 18
瀧村道子 岐阜 陽炎へ死者出る真新しきかな 424号 21
瀧村道子 岐阜 ねこじゃらし耳ほじくれば垢の音 448号 21
瀧村道子 岐阜 日本狭しカーネーションのセロハン解く 465号 20
瀧村道子 岐阜 のめり込む雪庇あり家族あり 473号 19
瀧村道子 岐阜 土蔵もピアスの穴も冬ざれて 481号 20
瀧村道子 岐阜 お元日日の脚見んとていざりゆく 492号 22
田口満代子 千葉 旅泊また青田に雨と書き流し 426号 22
田口満代子 千葉 喉すべる酢がき穂高はうすずみに 432号 27
田口満代子 千葉 旅の帆のよう折紙のよう春耕 434号 23
田口満代子 千葉 コンビニの明り縁に落花かな 435号 23
田口満代子 千葉 耳底は砂丘なりしよ南吹く 437号 21
田口満代子 千葉 米とぐも夢の中なり尉鶲 441号 25
田口満代子 千葉 母きつと睡蓮の花に一泊 446号 18
田口満代子 千葉 鶴わたる眠たさの我はうすずみ 451号 24
田口満代子 千葉 自恃ともちがう静けさよマスクして 452号 18
田口満代子 千葉 雉子啼く読むように書くたそがれ 454号 26
田口満代子 千葉 辺とは耳澄ますこと信濃に夏 456号 21
田口満代子 千葉 チェロ弾きの指のうたかた青筋揚羽 458号 24
田口満代子 千葉 寒満月ぶどう畑はどの辺り 462号 23
田口満代子 千葉 関取のマスク小さし枇杷の花 463号 18
田口満代子 千葉 蚊遣火の消えて芭蕉の生家かな 466号 20
田口満代子 千葉 アンリ・ルソー雨滝なす夜の緑かな 467号 24
田口満代子 千葉 携帯電話に撮られたりして穴惑 470号 19
田口満代子 千葉 柚子は黄に老人あわく口述す 471号 24
田口満代子 千葉 てのひらの浅瀬ここより雛流す 474号 24
田口満代子 千葉 たそがれの鬼のくるぶし芽吹くかな 483号 22
田口満代子 千葉 沢蟹や宴のような島の雨 486号 29
田口満代子 千葉 抜群の鳥の記憶や石蕗の花 489号 21
田口満代子 千葉 柚子は黄に音沙汰は水影のよう 490号 15
田口満代子 千葉 深読みも亀裂のひとつ冬鴎 491号 21
田口満代子 千葉 曳航のさみしさに似て黄砂降る 494号 22
田口満代子 千葉 短日の魚の影美し迷いあり 501号 17
田口満代子 千葉 めつむりて象を画きし黄落期 502号 24
田口満代子 千葉 惰眠とも薪のにおいの朧とも 505号 20
田口満代子 千葉 鳥影のさみしさノートは麦の秋 506号 21
田口満代子 千葉 鯵刺や素描のような旅をして 508号 18
田口満代子 千葉 霜月や蜂しずまっている素さ 510号 20
田口満代子 千葉 やみくもを直感といい冬の滝 511号 28
田口満代子 千葉 漂鳥や現ごころのなずな粥 512号 17
田口満代子 千葉 まばたきは遠流のごとし冬の鹿 521号 18
田口満代子 千葉 いつもの鍵さがす現や狐火や 525号 20
田口満代子 千葉 鶴引くや夜光時計のうすみどり 526号 23
田口満代子 千葉 加齢ふと眠ってばかりいる金魚 527号 19
田口満代子 千葉 鶸や鶲や朝のなごりの椅子たたむ 530号 18
竹内絵視 千葉 突風にすだれの悲鳴の難民の 453号 21
竹内一犀 静岡 寝たきりを担いで葬の端に立つ 431号 22
竹内一犀 静岡 貧するも尻に肉あり夜の秋 509号 19
竹内一犀 静岡 息止めて茅の輪に通す脳の翳 518号 21
竹内義聿 大阪 まぶしすぎるいきなりパーキンソン病宣告 447号 24
竹内義聿 大阪 トイレにさざんか初公開の花のごとし 452号 19
竹内義聿 大阪 航空母艦という平らかなもの思えり 454号 27
竹内義聿 大阪 睡蓮の池が市場のようであり 460号 24
竹内義聿 大阪 蝉の殼緑地に拾いベビーカー 468号 24
竹内義聿 大阪 大阪とか大阪的とか雪の日も 475号 19
竹内羲聿 大阪 浪速津という陽炎の貨車溜まり 489号 22
竹内羲聿 大阪 百済という在に機関区草雲雀 491号 22
竹内羲聿 大阪 コンクリートの街に陽炎神経病む 515号 19
竹内義聿 大阪 田に老人朝日赤ん坊 520号 18
竹内義聿 大阪 後からあとから直ぐに忘れて羅漢となり 525号 21
竹田昭江 東京 雁渡し父さんのような丸木橋 460号 25
竹田昭江 東京 死の床でさんきゅうと母白鳥座 477号 25
竹田昭江 東京 きのこ雲は造語なりけり夾竹桃 478号 20
竹田昭江 東京 夢殿に真っ直ぐに来て余寒かな 483号 23
武田昭江 東京 片付かぬ胸の押入れ根深汁 493号 22
竹田昭江 東京 木下闇さっきの雨が瞬いた 495号 22
竹田昭江 東京 敗戦忌こめかみ青く太く父 498号 23
竹田昭江 東京 裸木に深き傷痕叙事詩とも 503号 22
武田昭江 東京 怒るって胸閉ざすこと花八手 512号 18
竹田昭江 東京 きららむし母に修羅の日ありまして 514号 17
武田昭江 東京 青春のマストのごとく五月来る 524号 21
武田美代 栃木 樹は鳥のことばに組まれ春の沼 424号 22
武田美代 栃木 あぢさゐは多情多弁な私です 438号 25
武田美代 栃木 関連痛とは白南風のいたづら 448号 22
武田美代 栃木 眼鏡はずして煤逃げの犬とゐる 451号 25
武田美代 栃木 噛むほどに貝柱なり余寒なり 454号 28
武田美代 栃木 青梅はやや子のふぐりいっとき晴 456号 22
武田美代 栃木 さつと風花海洋型の男なり 463号 19
武田美代 栃木 死に蝉として四五日を吹かれをり 469号 25
武田美代 栃木 覚めてまた眠し九月の柱かな 470号 20
武田美代 栃木 流星や水際のやうな人とゐて 471号 25
武田美代 栃木 机の上きれいに雪を待つ子かな 473号 20
武田美代 栃木 私淑とは流れに溶ける青葉騒  478号 21
武田美代 栃木 秋思といふてやはらかき唇をせり 479号 21
武田美代 栃木 堰の上のたいらな水を秋思とす 480号 16
武田美代 栃木 風花や口を出でたるもの儚し 484号 19
武田美代 栃木 車窓に星ぶつかりくるを潤といふ 490号 16
武田美代 栃木 にこにこのそはそはのねこじゃらしかな 508号 19
武田美代 栃木 雪山は遠く見るものまだ死ねぬ 511号 29
武田美代 栃木 ずいと奥までペンキ屋が来る晩夏 518号 22
竪阿彌放心 秋田 雁帰る半端な数の二十九羽 434号 24
竪阿彌放心 秋田 呪うほど雪美しく降っている 453号 22
竪阿彌放心 秋田 鶯やわがはらわたの鳴り通し 454号 29
竪阿彌放心 秋田 人の死やほんに冷たき水あげる 461号 21
堅阿彌放心 秋田 素裸にまどろむ僧の白きこと 468号 25
竪阿彌放心 秋田 雪国に生きてたまげるけさの雪 472号 25
竪阿彌放心 秋田 炉を塞ぐ妻の大きな尻であり 474号 25
竪阿彌放心 秋田 鴨は水鳥魚屋に吊られたり 491号 23
竪阿弥放心 秋田 雪は降る立たされ坊主埋もるほど 492号 23
竪阿彌放心 秋田 花ノ冷エ雨ニモ負ケテ籠リケリ 495号 23
竪阿彌放心 秋田 入り来ては蛇おとなしき座禅堂 497号 23
竪阿彌放心 秋田 閑かさや鼠走らぬ雪の夜 503号 23
竪阿彌放心 秋田 清貧や水飯五杯かきこんで 506号 22
竪阿彌放心 秋田 夏に入るおしめをはずす稽古して 507号 25
竪阿彌放心 秋田 あっぱれな妻の鼾や台風禍 509号 20
竪阿彌放心 秋田 雪虫やただ眼のかすみたるのかも 511号 30
竪阿彌放心 秋田 破れ蓮やうれしきものの日の光 519号 22
竪阿彌放心 秋田 ああ吾はまこと父の子皹切れる 522号 18
竪阿彌放心 秋田 かたくなな穀象を愛で放ちけり 528号 23
舘岡誠二 秋田 雁行や町の鍛冶屋の兄おとと 430号 25
舘岡誠二 秋田 ナマハゲの藁をつかんで眠る海女 432号 28
舘岡誠二 秋田 冬くれば芝居一座が男鹿に立つ 433号 20
舘岡誠二 秋田 名刀展見てみちのくの早い冬 449号 23
舘岡誠二 秋田 喪服脱ぎ妻まどろみの揚羽蝶 455号 18
館岡誠二 秋田 蛍見て寝返りを打つ喪の一家 456号 23
館岡誠二 秋田 ナマハゲの面を飾って稲を刈る 459号 18
館岡誠二 秋田 燕来る男鹿の漁師の大法要 464号 21
館岡誠二 秋田 ナマハゲの草鞋を作りあとは酒 472号 26
舘岡誠二 秋田 百歳の僧の焚火に長い列 479号 22
舘岡誠二 秋田 大絵図のむかしの田植え数珠つなぎ 494号 23
舘岡誠二 秋田 無口なるわれの特技は茄子の馬 497号 24
舘岡誠二 秋田 天涯の父母へのぬくみどんどの火 503号 24
舘岡誠二 秋田 夏つばめ一回きりの恐山 506号 23
舘岡誠二 秋田 竜神の潟辺に住んで盆踊り 508号 20
舘岡誠二 秋田 漁師吐く小言が家訓冬の男鹿 512号 19
舘岡誠二 秋田 風土とは体をこすりあう蛙 514号 18
舘岡誠二 秋田 栄螺売り光の舌の五能線 517号 20
田中亜美 神奈川 夏木立カナリア色に肩抱いて 427号 19
田中亜美 神奈川 抱きとめてほどいて〈わたし〉水母浮く 438号 26
田中亜美 神奈川 海峡に鯨うすむらさき縷縷と 441号 26
田中亜美 神奈川 卯の花腐しぬるき火傷のやうな唇 446号 19
田中亜美 神奈川 かりそめの頸持つわれら独楽を打つ 450号 21
田中亜美 神奈川 紅梅にどこかはぐれてゐる透明 453号 23
田中亜美 神奈川 息絶えし馬を焚火のごと囲む 462号 24
田中亜美 神奈川 梨腐るやうなる鬱をサルトルも 463号 20
田中亜美 神奈川 くちなはと人売られゆく晩夏かな 466号 21
田中亜美 神奈川 砂嵐混じる抒情や雁渡る 470号 21
田中亜美 神奈川 鉄の軌道鉄の心臓末黒野に 473号 21
田中亜美 神奈川 鉱物の名を呟きて闘魚見る  475号 20
田中亜美 神奈川 花茣蓙に神と神々昏れゆけり 476号 19
田中亜美 神奈川 病めるときも富めるときも萍 477号 26
田中亜美 神奈川 紙鶴の紙の筋目や夏至の星 478号 22
田中亜美 神奈川 しづかなる尾の往き交ひて秋の暮 479号 23
田中亜美 神奈川 王の如く鸚鵡の如く冬麗や 480号 17
田中亜美 神奈川 電子音かもしれぬ声熊撃つて 481号 21
田中亜美 神奈川 風紋といふを仔鹿の過ぎにけり 482号 21
田中亜美 神奈川 黝き崖ゆくことも春曙 483号 24
田中亜美 神奈川 木の葉無き木々展翅無きガラスケース 484号 20
田中亜美 神奈川 円錐と円錐の影夏逝けり 489号 23
田中亜美 神奈川 カナリアとカナリアの籠寒林に 490号 17
田中亜美 神奈川 如月や鉛筆で描く原生林 493号 23
田中亜美 神奈川 桜蘂声失うを美と呼んで 494号 24
田中亜美 神奈川 藤垂れて先進国という疲労 495号 24
田中亜美 神奈川  悼・村上護さん
白桃を剥きて無頼派うつくしく
497号 25
田中亜美 神奈川 秋の薔薇くづるるごとく稿重ね 499号 23
田中亜美 神奈川 我らかつて森にゐたりと雄鹿鳴く 500号 24
田中亜美 神奈川 風船の紐ふたしかに夜の桜 504号 22
田中亜美 神奈川 雲海や我ら眼玉を持てあます 507号 26
田中亜美 神奈川 避暑家族鳥とも違う会話して 508号 21
田中亜美 神奈川 枯野ゆく星雲ほどの靄ありて 510号 21
田中亜美 神奈川 汝が夢の春泥として吾ありぬ 513号 21
田中亜美 神奈川 凍裂の谺なりけり夜の躰 519号 23
田中亜美 神奈川 梅白し銀河に屑のあることも 523号 24
田中亜美 神奈川 緑雨過ぐさびしき狼さびしき君 525号 22
田中亜美 神奈川 花合歓のような往還踊り果つ 528号 24
田中 洋 兵庫 嚔して畜生と言ふ黄砂降る 485号 21
田中 洋 兵庫 オニギリハアタタメマスヨ皹痛し 522号 19
田中 洋 兵庫 星飛ぶや飛べぬ病む子に数えさせ 528号 25
田中昌子 京都 にら粥に玉子落して朱の月の 428号 21
田中昌子 京都 きさらぎの離宮截金杳とかな 433号 21
田中昌子 京都 一切を桐の家に置き忘れ候 438号 27
田中昌子 京都 當麻白鷺つっと爪立ちささめごと 444号 21
田中昌子 京都 花はさくら木鶴のかたちに抱きあえり 454号 30
田中昌子 京都 青田のむこう病むひとに添う山の神 467号 25
田中昌子 京都 すいれん鉢に唐の女人のひらひらと 478号 23
田中昌子 京都 あるがまま朝の生まれるくらしかな 484号 21
田中昌子 京都 冠着は無人駅赤松の夏 496号 23
田中昌子 京都 ふたりにかえるしずくのようつがいかな 500号 25
田中昌子 京都 とべないかもめ口紅赤い寡婦もいや 501号 18
田中昌子 京都 三島とは言霊のとまる駅なり 511号 31
田中昌子 京都 赤蕪さげて嵯峨釈迦堂を抜けにけり 512号 20
田中昌子 京都 扁平足のような面ざし水温む 513号 22
田中昌子 京都 秋の空麒麟麦酒のあふれかな 519号 24
田中雅秀 福島 愛鳥週間線量計を渡される 476号 20
田中雅秀 福島 夏野かな何もしないという理想 498号 24
田中正能 神奈川 風船玉膨らむほどに青地球 477号 27
田浪富布 栃木 薄氷に青の一すじ自然治癒 425号 24
田浪富布 栃木 うすばかげろう戦知らずの戦好き 427号 20
田浪富布 栃木 枯菊を焚く生得の浪漫派 441号 27
田浪富布 栃木 膝枕処女航海のよう小春 442号 22
田浪富布 栃木 薯植える吾ら北方志向型 445号 20
田浪富布 栃木 あの男たんぱく質だ枝豆だ 448号 23
田浪富布 栃木 白たんぽぽ愛は土星の輪のように 454号 31
田浪富布 栃木 としよりが黙るは不思議葱坊主 455号 19
田浪富布 栃木 吊し柿晩節乾ぶまいとせり 471号 26
田浪富布 栃木 退屈で生者に集るいのこずち 480号 18
田浪富布 栃木 パソコンの指示の恐ろし冷房裡 488号 23
田浪富布 栃木 生かされて言霊つかむ木下闇 498号 25
田浪富布 栃木 老人券買って薄暮の浮世絵展 506号 24
田浪富布 栃木 花吹雪しばし吾が影存在す 514号 19
田浪富布 栃木 別れにも鮮度のありて吾亦紅 519号 25
田浪富布 栃木 反戦の言葉発止と鬼やらい 523号 25
田浪富布 栃木 低気圧・高気圧・春愁いかな 524号 22
田浪富布 栃木 菖蒲湯や手拭坊主子と作る 525号 23
田浪富布 栃木 わらわらと群れる老人栗の花 527号 20
谷岡武城
武には草冠
愛媛 姥捨の梅雨冷え深し母よ死ぬな 427号 21
谷岡 愛媛 青春のかけら小骨となりて冬 444号 22
谷口道子 京都 もぐらの巣掘りまくる犬早春なり 514号 20
谷 佳紀 神奈川 紅葉のごとくに声の強い人 460号 26
谷 佳紀 神奈川 御仏にちょこんと菫いつもかな 464号 22
谷 佳紀 神奈川 忘れっぽいとか夜が明けたとか曼珠沙華 470号 22
谷 佳紀 神奈川 春来れば雨・晴・雪・晴・芽のうるむ 474号 26
谷 佳紀 神奈川 地震後は歩きが早くなり菫 476号 21
谷 佳紀 神奈川 人の上に原発つくる合歓の花 478号 24
谷 佳紀 神奈川 もう五年です小春のお墓皆子さま 480号 19
谷 佳紀 神奈川 天高く落ちたくなった池がある 490号 18
谷 佳紀 神奈川 足利屋篤可愛くなって春の底 494号 25
谷 佳紀 神奈川 きれいなあなた腹の底から雪を話す 503号 25
谷 佳紀 神奈川 緑の山は孫なりそして力瘤 506号 25
谷 佳紀 神奈川 母子草群落雨上がりの清純 509号 21
谷 佳紀 神奈川 恋猫に見惚れ老人であることよ 513号 23
谷 佳紀 神奈川 考える遅さが青菜と照りあって 517号 21
谷 佳紀 神奈川 兄は炎暑の木陰のようだった死す 518号 23
谷 佳紀 神奈川 俺は俳句だなどと紅葉が日の中に 521号 19
谷 佳紀 神奈川 気の抜けない人いて桜ばかりなり 526号 24
谷 佳紀 神奈川 静けさがあめんぼうのように和らいで 527号 21
田沼美智子 千葉 ラムネ直ぐからころからころマンネリズム 428号 22
田沼美智子 千葉 平泳ぎ海底火山このあたり 458号 25
田沼美智子 千葉 自画像に厚い化粧す麦の秋 476号 22
田沼美智子 千葉 秋の蝶絵の具の白を自立させ 510号 22
田沼美智子 千葉 妖怪になりつつ老いる花野菜 521号 20
田畑桃里 神奈川 露地うらの暗い疊句花れんぎょう 445号 21
玉木節花 宮崎 十二月別るる為に逢いにゆく 521号 21
玉乃井明 愛媛 ほどほどという侘しさ春の山 434号 25
玉乃井明 愛媛 怠惰続きて七種粥熱しあつし 442号 23
玉乃井 明 愛媛 快楽に近し春蘭のうすみどり 445号 22
田村行子 栃木 赤とんぼ極楽とんぼのあみの中 428号 23
田村行子 栃木 舌に骨なくて紅葉山果てなし 490号 20
田村勝美 新潟 猫の額だなと黒揚羽一巡す 439号 21
田村勝美 新潟 鮎跳ねる腕組み解くは自由だが 457号 24
田村勝実 新潟 新松子姉が拗ねたりわらったり 459号 19
田村勝実 新潟 椿浄土や春雪のただ中や 464号 23
田村勝実 新潟 雪丈余掘って婆待つ春よ来い 473号 22
田村勝実 新潟 ポリープがたちはだかるよ行々子 488号 24
田村勝実 新潟 訛りしみじみそして秋刀魚の刺身かな 490号 19
田村勝実 新潟 桜散る散る原発は麻薬である 505号 21
田村勝美 新潟 母が話すばかりの父や終戦忌 519号 26
田村蒲公英 埼玉 梅雨最中僧にもらいし絵蝋燭 458号 26
田村蒲公英 埼玉  原発被災の地
牛に塩盛りて別れの立夏かな
475号 21
田村蒲公英 埼玉 禿頭の冬木のような夫に寄る 522号 20
丹後千代子 福井 時雨るるや家路半ばの恍惚よ 431号 23
丹後千代子 福井 大根引き尻餅搗きし大正人 461号 22
月野ぽぽな アメリカ 鳥よりも高きに棲むを朧という 445号 23
月野ぽぽな アメリカ 大阪のことば肉感的に夏 447号 25
月野ぽぽな アメリカ 波打ち際は初夏の鍵盤指を置く 456号 24
月野ぽぽな アメリカ 耳底のつめたきホタルブクロかな 458号 27
月野ぽぽな アメリカ 煮凝りや家出のように家に居て 461号 23
月野ぽぽな アメリカ 母に添い寝雪の深井戸のぞくよう 462号 25
月野ぽぽな アメリカ みぞおちは破船の昏さ草いきれ 466号 22
月野ぽぽな アメリカ 一よりも淋しきいのち髪洗う 467号 26
月野ぽぽな アメリカ 風を乗り継ぎ光る木光る木の林 471号 27
月野ぽぽな アメリカ 花おうち雲が広島なでてゆく 476号 23
月野ぽぽな アメリカ 花うつぎ愛情という非対称  477号 28
月野ぽぽな アメリカ 旅に寝て我は一枚の雨音 482号 22
月野ぽぽな アメリカ 入江めく真昼の愛撫つわの花 483号 25
月野ぽぽな アメリカ 壁に火蛾奥に武器売る男たち 488号 25
月野ぽぽな アメリカ 日にいくたび陽は戦争の上とおる 489号 24
月野ぽぽな アメリカ 銀漢はびしょ濡れのまま街の上 490号 21
月野ぽぽな アメリカ 流木は光の棲家冬はじめ 491号 24
月野ぽぽな アメリカ 逃水のくるぶし見えている異郷 494号 26
月野ぽぽな アメリカ ホタルブクロ生まれる前に聴いた声 497号 26
月野ぽぽな アメリカ うつぶせは沼の淋しさ夕薄暑 498号 26
月野ぽぽな アメリカ 桐一葉人とは美しき病 499号 24
月野ぽぽな アメリカ まだ若い冬将軍だなまっすぐ来る 501号 19
月野ぽぽな アメリカ 湯ざめして身ぬちの星座あきらかに 503号 26
月野ぽぽな アメリカ 喪を灯すようです水芭蕉ひらく 504号 23
月野ぽぽな アメリカ 恋猫の声と星座と混み合うよ 505号 22
月野ぽぽな アメリカ わたくしの闇と蛍の闇まざる 507号 27
月野ぽぽな アメリカ 黄色くて小さいわたし雪がふる 513号 24
月野ぽぽな アメリカ 石を積むこと息をすること涼し 517号 22
月野ぽぽな アメリカ 牝鹿佇つ水より遠き瞳して 519号 27
月野ぽぽな アメリカ 身を横たえる長き夜の琴として 520号 19
月野ぽぽな アメリカ 細胞におよぶ引力年新た 522号 21
月野ぽぽな アメリカ 花屑哀し臍の緒のごとく乾き 525号 24
月野ぽぽな アメリカ 麦熟星あしたも会うみたいに別れ 526号 25
月野ぽぽな アメリカ 息ひとつ蛍火ひとつ響きあう 527号 22
佃 悦夫 神奈川 絶対に花粉まみれのおぼろ月 425号 25
佃 悦夫 神奈川 てふてふは鋼たらむとまつしぐら 432号 29
辻 升人 東京 稲光り分厚き聖書に突き刺さり 529号 23
津谷ゆきえ 岐阜 田水張るしーんと静かな誇りです 446号 20
津谷ゆきえ 岐阜 弟は母の声ですおみなへし 450号 22
津谷ゆきえ 岐阜 谷底に牝鹿光陰の雫です 461号 24
土田武人 神奈川 籐椅子や渥美に蛸の保存会 425号 26
土田武人 神奈川 あぶらぜみ加賀から京へ籠使う 428号 24
土田武人 神奈川 喉奥に次の歯があり冬の濤 432号 30
土田武人 神奈川 牡丹まで歩いてきたり夕仕度 475号 22
土屋寛子 神奈川 ぶらんこ漕げ漕げ逆さの母に逢えるまで 435号 24
土屋寛子 神奈川 汝の歯の白さ憎っくき麦の秋 436号 23
土屋寛子 神奈川 人と寝てわが影濃ゆし秋祭 439号 22
土屋寛子 神奈川 束の間を彗星碧し浮寝鳥 455号 20
土屋寛子 神奈川 楊梅に若き歯染めしはまぼろしか 457号 25
土屋寛子 神奈川 産まざりし子には名の無し夏燕 459号 20
津谷ゆきえ 岐阜 物言えば薄紙剥くように春 455号 21
津野丘陽 東京 わがままな蝶来て困る冬の川 471号 28
津波古 江津 神奈川 鶏にまぶたまなじり南風吹く 476号 24
津波古 江津 神奈川 青柿のかくまで高き瓦礫かな 478号 25
津波古 江津 神奈川 身のうちを白湯ゆくはやさ遠ざくら 515号 20
津波古江津 神奈川 浴衣の衿ぬけば疎遠のはらからや 518号 24
寺町志津子 東京 春はあけぼのツートントーンとお腹の子 513号 25
寺町志津子 東京 冬座敷わたしにものを言う人形 521号 22
峠 素子 埼玉 任せっきりは一つの悟り藤の花 435号 25
峠 素子 埼玉 友情やあさっては雪渓を下りる 440号 23
峠 素子 埼玉 ポリ袋飛ぶこともする晩夏なり 448号 24
峠 素子 埼玉 梅雨夕焼け私の窓は一つなり 457号 26
峠谷清広 埼玉 雷に負けじと父母おしゃべりす 427号 22
峠谷清弘 埼玉 冬至湯や故郷の言葉で独り言 431号 24
峠谷清弘 埼玉 餅花や主人に期待しない猫 432号 31
峠谷清広 埼玉 鳥雲に母にも妻にも叱られて 433号 23
峠谷清広 埼玉 菖蒲湯の父のくしゃみが茶の間まで 435号 26
峠谷清広 埼玉 国家なんか恐れぬ妻の裸身かな 436号 24
峠谷清広 埼玉 難聴に差別に耐えて新酒かな 439号 23
峠谷清弘 埼玉 オフィス街視線ぐしゃりと落ちて冬 440号 24
峠谷清広 埼玉 履初めの妻のお尻に紙の屑 442号 25
峠谷清広 埼玉 豆飯を昭和の映画のように食う 445号 24
峠谷清広 埼玉 寝冷えしてリストラよりも恐い妻 447号 27
峠谷清広 埼玉 父母の焚火は居眠りみたいです 451号 26
峠谷清広 埼玉 おでん食う父母混浴みたいです 452号 21
峠谷清広 埼玉 少女達笑い声まで日焼だなあ 457号 27
峠谷清広 埼玉 冴え返る白髪は私の楽器です 463号 21
峠谷清広 埼玉 群衆や西日に弱味を握られて 468号 26
峠谷清広 埼玉 春愁へ息子のオナラ乱入す 473号 23
峠谷清広 東京 東京やクーデターみたいに冴え返る 474号 28
峠谷清広 東京 酔った俺に執事みたいな冷蔵庫 475号 23
峠谷清広 東京 着ぶくれて本一冊分の独り言 492号 24
峠谷清弘 東京 男叩くように女は蚊をよける 496号 24
峠谷清弘 東京 悪あがきみたいな寝相熱帯夜 497号 27
峠谷清弘 東京 長き夜や息子はますます謎になる 499号 25
峠谷清広 東京 坐禅してすぐに居眠り日向ぼこ 502号 25
峠谷清弘 東京 熱燗や同時に愚痴言う男達 503号 27
峠谷清弘 東京 熱帯夜昔の私と怒鳴り合う 508号 22
峠谷清弘 東京 曼珠沙華自分に脅える男です 509号 22
峠谷清弘 東京 蚯蚓鳴く悩むことさえ不器用で 510号 23
峠谷清広 東京 底冷えや身も蓋もなき我が孤独 513号 26
峠谷清広 東京 かたつむり人は老いるのが下手だな 515号 21
峠谷清広 東京 長梅雨や絶壁のような無力感 517号 23
峠谷清広 東京 世間という不気味な本音冷まじや 519号 28
峠谷清広 東京 枯葉降る俺には喧嘩腰で降る 520号 20
峠谷清広 東京 隙間風ああ愚痴さえも自己模倣 521号 23
峠谷清広 東京 花粉症私何処でも場違いで 524号 23
峠谷清広 東京 春落葉助けてほしいと言えなくて 525号 25
峠谷清広 東京 冷酒や狂気をなんとか飼い馴らし 527号 23
峠谷清広 東京 ごきぶりに呼び捨てされて二日酔い 528号 26
董 振華 中国 春雨や追憶の揺り籠の出窓 433号 22
董 振華 中国 晩春に近づくわれに一番星 434号 26
董 振華 中国 浄土の岬より春眠始まれり 442号 24
董 振華 中国 盆の月峠越えれば寝るとする 447号 26
董 振華 中国 混浴のよう満山万野紅葉して 450号 23
董 振華 中国 旅次の東国初夢のあぐらかな 452号 20
董 振華 中国 流れたり停まったり春の酔 453号 24
董 振華 中国 皆既日食から日常へ黙契とは 456号 25
董 振華 中国 朝日煙り夕日煙らせ秋分日記 458号 28
董 振華 中国 旅に出て魚影のような秋の私語 459号 21
董 振華 中国 凝視のごと頬杖をして夏深し 467号 27
董 振華 中国 乳牛の乳凹み垂れ春分かな 474号 27
董 振華 中国 野を渡りゆく律儀者天の川 476号 25
董 振華 中国 父の肩で見聞きしたこと春の水 482号 23
董 振華 中国 如月の月影少年の猫背来る 483号 26
董 振華 中国 離別時来て百日紅の真赤 485号 22
董 振華 中国 春隣黄河の音に我の音 486号 30
董 振華 中国 床前に明月もニコニコ二コと 489号 25
董 振華 中国 春耕や郷里の影に月の光 494号 27
董 振華 中国 北京の古き良き多岐多様柳絮飛ぶ 495号 25
董 振華 中国 空蝉や節電のような蓄電のような 498号 27
董 振華 中国 雪茫々長城内外天人合一 501号 20
遠山郁好 東京 山肌の人肌の朝花鶏来よ 431号 25
遠山郁好 東京 童女いてかなかなの神様の隣り 439号 24
遠山郁好 東京 くれないの落し角です朝寝です 444号 23
遠山郁好 東京 無限とう淋しい顔の馬冷す 445号 25
遠山郁好 東京 雪国に雪降り人の囁くや 462号 26
遠山郁好 東京 早き瀬に自分確かめ春の祭り 465号 21
遠山郁好 東京 秋黴雨人の気配を淵という 473号 24
遠山郁好 東京 驟雨待つごとみどり児の眸を覗く 478号 26
遠山郁好 東京 そっとそこにいるだけ赤い羽根の少女 481号 22
遠山郁好 東京 風が吹きずーっとむかしも狩をして 484号 22
遠山郁好 東京 冷え性の稗の種ですわたくしは 490号 22
遠山郁好 東京 雨は祖母接骨木の窓細く開け 495号 26
遠山郁好 東京 はつ夏に会う子よ清水汲み上げる 496号 25
遠山郁好 東京 まだかたちなどなく朝の水澄めり 500号 26
遠山郁好 東京 空見てはポーと言う嬰に冬が来る 501号 21
遠山郁好 東京 君は未だ幼くてかなかなの仲間 507号 28
遠山郁好 東京 絹莢のすじ引くように叔母消えて 516号 26
遠山郁好 東京 りりりりり真白き露の玉よ祖母 520号 21
遠山郁好 東京 夜濯やジュゴンを運ぶ船通る 526号 26
徳才子青良 青森 ほちゃれ鮭墓が三つとなりにけり 432号 32
徳才子青良 青森 冬海鵜棟方志功のめがね 446号 21
徳才子青良 青森 稲架中退八甲田山で全滅せり 459号 22
徳才子青良 青森 休耕田われ泣きぬれて田となれり 466号 23
徳永義子 宮崎 ときめきも歎きもおぼろじやがたらの花 426号 23
徳永義子 宮崎 泰山木重機関銃朽ちて土 446号 22
徳永義子 宮崎 遥かなる夫征きし日や苗代寒 484号 23
徳永義子 宮崎 手花火の火花チリチリ我が脳 495号 27
戸田寿美女 岡山 つき合ひは鉛筆感覚茗荷の子 424号 23
戸田寿美女 岡山 秋の蛇ことごとく水平であり 431号 26
殿岡照朗 ブラジル 額びたびた叩くエープリル・フールかな 425号 27
殿岡照郎 ブラジル 射程距離に馬のまぐわい四月馬鹿 437号 22
殿岡照郎 ブラジル あれは白ふくろうの声新位牌 440号 25
豊原清明 兵庫 雨蛙こいつは無職吾は無学 485号 23
豊山くに 青森 千空の葬紅葉に雪寂しけり 442号 26

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