「高浜虚子を読む」索引
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番号 | 初めの音 |
句
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句集名など |
16 | あいした | 相慕ふ村の灯二つ虫の声 | 五百句 |
93 | あかつき | 暁の紺朝顔や星一つ | 五百句時代 |
71 | あきかぜ | 秋風に草の一葉のうちふるふ | 五百句 |
10 | あきかぜ | 秋風や眼中のもの皆俳句 | 五百句 |
181 | あきかぜ | 秋風や静かに動く萩芒 | 六百五十句 |
169 | あきばれ | 秋晴の郵便函や棒の先 | 六百句 |
196 | あけやす | 明易や花鳥諷詠南無阿弥陀仏 | 七百五十句 |
100 | あすしぬ | 明日死ぬる命めでたし小豆粥 | 五百句時代 |
115 | あぜひと | 畦一つ飛び越え羽搏つ寒鴉 | 五百五十句 |
154 | あたたか | 暖かき茶をふくみつ丶萩の雨 | 六百句 |
187 | あまとて | 海女とても陸こそよけれ桃の花 | 六百五十句 |
45 | あまのが | 天の川のもとに天智天皇と虚子と | 五百句 |
160 | あめつち | 天地の間にほろと時雨かな | 六百句 |
13 | あるとき | 或る時は谷深く折る夏花かな | 五百句 |
162 | いかなご | いかなごにまづ箸おろし母恋し | 六百句 |
163 | いきてい | 生きてゐるしるしに新茶おくるとか | 六百句 |
73 | いしころ | 石ころも露けきものの一つかな | 五百句 |
126 | いしはふ | 石はふる人をさげすみ寒鴉 | 五百五十句 |
161 | いちちょ | 一蝶の舞ひ現れて雨あがる | 六百句 |
64 | いっぺん | 一片の落花見送る静かな | 五百句 |
81 | いてちょ | 凍蝶の己が魂追うて飛ぶ | 五百句 |
125 | いてちょ | 凍蝶の眉高々とあはれなり | 五百五十句 |
165 | いぬふぐ | 犬ふぐり星のまた丶く如くなり | 六百句 |
104 | いんてん | 院展の古徑の画へと急ぎけり | 五百句時代 |
14 | うきすみ | うき巣見て事足りぬれば漕ぎかへる | 五百句 |
168 | うしのこ | 牛の子の大きな顔や草の花 | 六百句 |
208 | うずみび | 埋火や稿を起してより十日 | 七百五十句 |
119 | うのもり | 鵜の森のあはれにも亦騒がしく | 五百五十句 |
3 | うみにい | 海に入りて生まれかはろう朧月 | 五百句 |
77 | うらやす | 浦安の子は裸なり蘆の花 | 五百句 |
70 | えだまめ | 枝豆を喰えば雨月の情けあり | 五百句 |
94 | えぶみし | 絵ぶみして生き残りたる女かな | 五百句時代 |
80 | えりまき | 襟巻の狐の顔は別にあり | 五百句 |
76 | えんてん | 炎天の空美しや高野山 | 五百句 |
195 | おいのは | 老の春「高濱虚子」という書物 | 七百五十句 |
84 | おおいな | 大いなるものが過ぎ行く野分かな | 五百句 |
42 | おおぞら | 大空に又わき出でし小鳥かな | 五百句 |
110 | おおぞら | 大空をただ見てをりぬ檻の鷲 | 五百句時代 |
32 | おおでら | 大寺を包みてわめく木の芽かな | 五百句 |
118 | おぼろよ | 朧夜や男女行きかひ/\て | 五百五十句 |
135 | おもつ丶 | 面つ丶む津軽をとめや花林檎 | 五百五十句 |
29 | およそて | 凡そ天下に去来程の小さき墓に参りけり | 五百句 |
19 | かいまみ | 垣間見る好色者に草芳しき | 五百句 |
1 | かぜがふ | 風が吹く佛来給ふけはひあり | 五百句 |
158 | かなしさ | 悲しさはいつも酒気ある夜学の師 | 六百句 |
36 | かまくら | 鎌倉を驚かしたる余寒あり | 五百句 |
146 | かまくら | 鎌倉に實朝忌あり美しき | 五百五十句 |
7 | かめなく | 亀鳴くや皆愚かなる村のもの | 五百句 |
111 | かものな | 鴨の中の一つの鴨を見ていたり | 五百五十句 |
5 | かやごし | 蚊帳越しに薬煮る母をかなしみつ | 五百句 |
191 | かれいち | 彼一語我一語秋深みかも | 六百五十句 |
201 | かれいち | 彼一語我一語新茶淹れながら | 七百五十句 |
139 | かれくさ | 枯草に尚さまざまの姿あり | 五百五十句 |
87 | かわかわ | かわ/\と大きくゆるく寒烏 | 五百句 |
85 | かわをみ | 川を見るバナナの皮は手より落ち | 五百句 |
141 | かんとい | 寒といふ字に金石の響あり | 五百五十句 |
109 | かんばつ | 干魃や百姓のただ歩きをる | 五百句時代 |
142 | かんまな | 寒真中高々として産れし声 | 五百五十句 |
27 | きしにつ | 岸に釣る人の欠伸や舟遊 | 五百句 |
43 | きそがわ | 木曾川の今こそ光れ渡り鳥 | 五百句 |
58 | きたかぜ | 北風や石を敷きたるロシア町 | 五百句 |
23 | きみとわ | 君と我うそにほればや秋の暮 | 五百句 |
15 | ぎょうず | 行水の女にほれる烏かな | 五百句 |
189 | きょしひ | 虚子一人銀河と共に西へ行く | 六百五十句 |
153 | きりこい | 霧濃し姫向日葵のそよぎをり | 六百句 |
22 | きりひと | 桐一葉日当りながら落ちにけり | 五百句 |
184 | くきうお | 茎右往左往菓子器のさくらんぼ | 六百五十句 |
88 | くさかれ | 草枯れて夕日にさはるものもなし | 五百句時代 |
134 | くさもち | 草餅をつまみ江山遥なり | 五百五十句 |
114 | くまばち | 熊蜂のうなり飛び去る棒のごと | 五百五十句 |
202 | くもにう | 蜘蛛に生れ網をかけねばならぬかな | 七百五十句 |
60 | くらべう | 競べ馬一騎遊びてはじまらず | 五百句 |
117 | けいちつ | 啓蟄や日はふりそ丶ぐ矢の如く | 五百五十句 |
48 | げじげじ | 蚰蜒を打てば屑々になりにけり | 五百句 |
131 | こうばい | 紅梅の京を離れて住むは厭や | 五百五十句 |
28 | こがねむ | 金亀子擲つ闇の深さかな | 五百句 |
192 | こぞこと | 今年去年貫く棒の如きもの | 六百五十句 |
66 | こなたへ | 此方へと法の御山のみちをしへ | 五百句 |
101 | このにわ | この庭の遅日の石のいつまでも | 五百句時代 |
103 | こびやく | 小百姓埃の如き麦を刈る | 五百句時代 |
183 | こもみじ | 濃紅葉に涙せき来る如何にせん | 六百五十句 |
24 | さびしさ | 淋しさに小女郎なかすや秋の暮 | 五百句 |
129 | さぼうく | 茶房暗し春灯はみな隠しあり | 五百五十句 |
8 | さみだれ | 五月雨や魚とる人の流るべう | 五百句 |
127 | さむきゆ | 寒き故我等四五人なつかしく | 五百五十句 |
18 | ざをあげ | 座を挙げて恋ほのめくや歌かるた | 五百句 |
106 | しかられ | 叱られて泣きに這入るや雛の間 | 五百句時代 |
97 | しずかさ | 静さや花なき庭の春の雨 | 五百句時代 |
30 | しもふれ | 霜降れば霜を盾とす法の城 | 五百句 |
83 | しゃくふ | 酌婦来る灯取蟲より汚きが | 五百句 |
47 | しゅうて | 秋天の下に野菊の花瓣欠く | 五百句 |
21 | しゅきゃ | 主客閑話ででむし竹を上るなり | 五百句 |
54 | しゅろの | 棕櫚の花こぼれて掃くも五六日 | 五百句 |
132 | しゅんう | 春雲は棚曳き機婦は織り止めず | 五百五十句 |
75 | しゅんち | 春潮といへば必ず門司を思ふ | 五百句 |
209 | しらうめ | 白梅の老木のほこり今ぞ知る | 七百五十句 |
190 | じんせい | 人生は陳腐なるかな走馬灯 | 六百五十句 |
155 | しんぶん | 新聞をほどけば月の芒かな | 六百句 |
198 | すぐこい | すぐ来いという子規の夢明易き | 七百五十句 |
149 | すずしさ | 涼しさは下品下生の仏かな | 五百五十句 |
4 | せんせい | 先生が瓜盗人でおはせしか | 五百句 |
166 | そうかい | 蒼海の色尚存す目刺かな | 六百句 |
113 | そのまま | そのままに君紅梅の下に立て | 五百五十句 |
11 | たいかい | 大海のうしほはあれど旱かな | 五百句 |
140 | だいかん | 大寒の埃の如く人死ぬる | 五百五十句 |
156 | だいこん | 大根を水くしや/\にして洗ふ | 六百句 |
63 | たたずめ | 佇めば落葉さ丶やく日向かな | 五百句 |
67 | ちゅうし | 仲秋や月明かに人老いし | 五百句 |
92 | ちょうち | 蝶々のもの食ふ音の静かさよ | 五百句時代 |
130 | ついてく | ついて来る人を感じて長閑なり | 五百五十句 |
56 | つきあび | 月浴びて玉崩れをる噴井かな | 五百句 |
52 | つきのと | 月の友三人を追ふ一人かな | 五百句 |
41 | つゆのみ | 露の幹静に蝉の歩き居り | 五百句 |
107 | でがはり | 出代の醜き女それもよし | 五百句時代 |
138 | てまりう | 手毬歌かなしきことをうつくしく | 五百五十句 |
53 | てんじつ | 天日のうつりて暗し蝌蚪の水 | 五百句 |
49 | とうてい | 冬帝先づ日をなげかけて駒ヶ嶽 | 五百句 |
9 | とおやま | 遠山に日の当りたる枯野かな | 五百句 |
185 | とがくし | 戸隠の山々沈み月高し | 六百五十句 |
51 | どかとと | どかと解く夏帯に句を書けとこそ | 五百句 |
35 | としをも | 年を以て巨人としたり歩み去る | 五百句 |
2 | どとうい | 怒濤岩を噛む我を神かと朧の夜 | 五百句 |
40 | とりとん | 鳥飛んでそこに通草のありにけり | 五百句 |
72 | ながれゆ | 流れ行く大根の葉の早さかな | 五百句 |
176 | なつくさ | 夏草に延びてからまる牛の舌 | 小諸百句 |
194 | なれにし | 汝に謝す我が眼明かいぬふぐり | 七百五十句 |
179 | にじきえ | 虹消えて音楽は尚ほ続きをり | 小諸百句 |
82 | にじたち | 虹立ちて雨逃げて行く広野かな | 五百句 |
177 | にじたち | 虹立ちて忽ち君のある如し | 小諸百句 |
178 | にじをみ | 虹を見て思ひ/\に美しき | 小諸百句 |
25 | にゆると | 煮ゆる時蕪汁とぞ匂ひける | 五百句 |
38 | ぬれえん | 濡縁に雨の後なる一葉かな | 五百句 |
46 | のをやい | 野を焼いて帰れば燈下母やさし | 五百句 |
204 | はいかい | 俳諧の灯のともりけり月見草 | 七百五十句 |
59 | はくぼた | 白牡丹といふといへども紅ほのか | 五百句 |
122 | はこにわ | 箱庭の月日あり世の月日なし | 五百五十句 |
102 | はこにわ | 箱庭の人に古りゆく月日かな | 五百句時代 |
116 | はたのご | 旗のごとなびく冬日をふと見たり | 五百五十句 |
98 | はつぞら | 初空や大悪人虚子の頭上に | 五百句時代 |
172 | はつちょ | 初蝶来何色と問ふ黄と答ふ | 小諸百句 |
133 | はつちょ | 初蝶を夢の如くに見失ふ | 五百五十句 |
150 | はまずな | 浜砂に儚き春の小草かな | 五百五十句 |
31 | はるかぜ | 春風や闘志いだきて丘に立つ | 五百句 |
128 | はるのな | 春の波小さき石に一寸躍り | 五百五十句 |
79 | はるのは | 春の浜大いなる輪が画いてある | 五百句 |
210 | はるのや | 春の山屍をうめて空しかり | 七百五十句 |
89 | ひいなよ | 雛より小さき嫁を貰ひけり | 五百句時代 |
62 | びじんえ | 美人絵の団扇持ちたる老師かな | 五百句 |
33 | ひとつね | 一つ根に離れ浮く葉や春の水 | 五百句 |
37 | ひとりの | 一人の強者唯出よ秋の風 | 五百句 |
99 | ひなたぼ | 日向ぼこの我を乱さぬ客ならば | 五百句時代 |
145 | ひについ | 日についでめぐれる月や水仙花 | 五百五十句 |
157 | ひまわり | 向日葵が好きで狂ひて死にし画家 | 六百句 |
124 | びょうし | 病床の人訪ふたびに秋深し | 五百五十句 |
57 | ひらひら | ひらひらと深きが上の落葉かな | 五百句 |
199 | ひろごれ | 拡ごれる春曙の水輪かな | 七百五十句 |
91 | ひんにし | 貧にして孝なる相撲負けにけり | 五百句時代 |
205 | ふうせい | 風生と死の話して涼しさよ | 七百五十句 |
55 | ふうりん | 風鈴に大きな月のかかりけり | 五百句 |
164 | ふしぎや | 不思議やな汝れが踊れば我が泣く | 六百句 |
50 | ふじのね | 藤の根に猫蛇相搏つ妖々と | 五百句 |
39 | ぶどうの | 葡萄の種吐き出して事を決しけり | 五百句 |
34 | ふねきし | 舟岸につけば柳に星一つ | 五百句 |
159 | ふみいし | 踏石を伝ひさしたる冬日かな | 六百句 |
200 | ふゆばれ | 冬晴の虚子我ありと思ふのみ | 七百五十句 |
69 | ふるさと | ふるさとの月の港をよぎるのみ | 五百句 |
188 | ふるには | 古庭のででむしの皆動きをり | 六百五十句 |
6 | へびあな | 蛇穴を出て見れば周の天下なり | 五百句 |
44 | へびにげ | 蛇逃げて我を見し目の草に残る | 五百句 |
95 | ぼうずに | 坊主にもなりたき思ひ昼寝かな | 五百句時代 |
20 | ほうそう | 芳草や黒き烏も濃紫 | 五百句 |
148 | ぼうたん | 牡丹花の雨なやましく晴れんとす | 五百五十句 |
147 | ほたぎた | 榾木焚き呉る丶女はかはりをり | 五百五十句 |
74 | ほつかり | ほつかりと梢に日あり霜の朝 | 五百句 |
182 | まいるに | 詣るにも小さき墓のなつかしく | 六百五十句 |
143 | まろびた | まろびたる娘より転がる手毬かな | 五百五十句 |
144 | まんざい | 万才のうしろ姿も恵方道 | 五百五十句 |
152 | みずうて | 水打てば夏蝶そこに生れけり | 六百句 |
86 | みちのべ | 道の辺に阿波の遍路の墓あはれ | 五百句 |
96 | みっつく | 三つ食へば葉三片や櫻餅 | 五百句時代 |
175 | むぎので | 麦の出来悪しと鳴くや行々子 | 小諸百句 |
137 | むぎまき | 麦蒔やいつまで休む老一人 | 五百五十句 |
136 | むしけら | 蟲螻蛄と侮られつ丶生を受く | 五百五十句 |
12 | むづかし | むづかしき禅門出れば葛の花 | 五百句 |
17 | むらのな | 村の名も法隆寺なり麦を蒔く | 五百句 |
108 | もどるこ | 戻る子と行く母と逢ふ月見草 | 五百句時代 |
112 | ものうり | 物売りも佇む人も神の春 | 五百五十句 |
123 | ものおけ | もの置けばそこに生まれぬ秋の蔭 | 五百五十句 |
174 | ももさく | 桃咲くや足投げ出して針仕事 | 小諸百句 |
206 | もんをで | 門を出る人春光の包み去る | 七百五十句 |
120 | やすんだ | 休んだり休まなんだり梅雨工事 | 五百五十句 |
151 | やまがわ | 山川にひとり髪洗ふ神ぞ知る | 六百句 |
173 | やまぐに | 山国の蝶をあらしと思はずや | 小諸百句 |
170 | やまぐに | 山国の冬は来にけり牛乳をのむ | 六百句 |
197 | やまでら | 山寺に名残蝿叩に名残 | 七百五十句 |
78 | やまでら | 山寺の古文書も無く長閑なり | 五百句 |
68 | やりはご | やり羽子や油のような京言葉 | 五百句 |
90 | ゆくはる | 行春を尼になるとの便りあり | 五百句時代 |
193 | ゆらぎみ | ゆらぎ見ゆ百の椿が三百に | 七百五十句 |
105 | ゆるやか | ゆるやかに帆船はひりぬ秋の潮 | 五百句時代 |
167 | よきこゆ | よき蚕ゆへ正しき繭を作りたる | 六百句 |
207 | よきすみ | よき炭のよき灰になるあはれさよ | 七百五十句 |
180 | らぢおよ | ラヂオよく聞こえ北佐久秋の晴 | 小諸百句 |
186 | らんらん | 爛々と昼の星見え菌生え | 六百五十句 |
171 | ろうけん | 老犬の我を嗅ぎ去る枯木中 | 六百句 |
61 | ろうそう | 老僧の蛇を叱りて追ひにけり | 五百句 |
26 | ろうそう | 老僧の骨刺しに来る薮蚊かな | 五百句 |
203 | わがせい | 我生の美しき虹皆消えぬ | 七百五十句 |
65 | わだつみ | わだつみに物の命のくらげかな | 五百句 |
121 | われおも | 我思ふま丶に孑孑うき沈み | 五百五十句 |