「小林一茶を読む」目次

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番号
作句年
年号
作句年
西暦
年齢
1 木々おの\/名乗り出たる木の芽哉 千題集 寛政元年 1789 27
2 三文が霞見にけり遠眼鏡 霞の碑 寛政2年 1790 28
3 山寺や雪の底なる鐘の声 霞の碑
4 今迄は踏れて居たに花野かな 秋顔子
5 蓮の花虱を捨るばかり也 寛政三年紀行 寛政3年 1791 29
6 茨の花爰をまたげと咲にけり 寛政三年紀行
7 陽炎やむつましげなるつかと塚 寛政三年紀行
8 日盛りや葭雀に川の音もなき 寛政句帖 寛政4年 1792
30
9 伊香保根や茂りを下る温泉の煙 寛政句帖
10 通し給へ蚊蠅の如き僧一人 寛政句帖
11 しづかさや湖水の底の雲の峰 寛政句帖
12 おり姫に推参したり夜這星 寛政句帖
13 船頭よ小便無用浪の月 寛政句帖
14 負角力其子の親も見て居るか 寛政句帖
15 寒き夜や我身をわれが不寐番 寛政句帖
16 雲に鳥人間海にあそぶ日ぞ 寛政句帖
寛政5年
1793
31
17 君が世や茂りの下の耶蘇仏 寛政句帖
18 秋の夜や旅の男の針仕事 寛政句帖
19 遠里や菜の花の上のはだか蔵 寛政句帖
寛政6年
1794
32
20 朝霜に野鍛冶が散火走る哉 寛政句帖
21 梅が香に障子ひらけば月夜哉 西国紀行
寛政7年
1795 33
22 朧々ふめば水也まよひ道 西国紀行
23 寐ころんで蝶泊らせる外湯哉 西国紀行
24 塚の花にぬかづけば故郷なつかしや 西国紀行
25 もたいなや昼寝して聞く田うへ唄 書簡 寛政10年 1798 36
26 早立のかぶせてくれしふとん哉 与播雑詠
27 炉のはたやよべの笑ひがいとまごひ 挽歌 寛政11年 1799 37
28 夕日影町一ぱいのとんぼ哉 西国紀行書込 寛政年間 1789〜
1801
27〜
39
29 生残る我にかゝるや艸の露 父の終焉日記 享和元年 1801 39
30 父ありて明ぼの見たし青田原 父の終焉日記
31 のべの梅かぢけ仏のまし\/ける 暦裏句稿 享和2年 1802 40
32 八ツ過の家陰行く人春の蝶 暦裏句稿
33 秋の夜の独身長屋むつましき 享和句帖 享和3年 1803 41
34 松陰におどらぬ人の白さ哉 享和句帖
35 春の風艸深くても故郷也 享和句帖
36 信濃路の田植過ぎけり凧巾 享和句帖
37 掌に酒飯けぶる今朝の霜 享和句帖
38 大根引一本づゝに雲を見る 享和句帖
39 浅ましと鰒や見らん人の顔 享和句帖
40 はいかいの地獄はそこか閑古鳥 享和句帖
41 雲の峰立や野中の握飯 文化句帖 文化元年 1804 42
42 秋の風乞食は我を見くらぶる 文化句帖
43 さはっても時雨さう也ちゝぶ山 文化句帖
44 木がらしや地びたに暮るゝ辻諷ひ 文化句帖
45 木がらしやこんにゃく桶の星月夜 文化句帖
46 朝やけがよろこばしいか蝸牛 文化句帖
文化2年
1805
43
47 舟引の足にからまる蛍哉 文化句帖
48 木つゝきの死ネトテ敲く柱哉 文化句帖
49 ほろ\/とむかご落けり秋雨 文化句帖
50 冷々と袖に入る日や秋の山 文化句帖
51 かつしかや月さす家は下水端 文化句帖
52 又ことし娑婆塞ぎぞよ艸の家 文化句帖
文化3年
1806
44
53 落柿舎の奈良茶日つゞく木芽哉 文化句帖
54 人寄せぬ桜咲きけり城の山 文化句帖
55 うら門のひとりでに明く日永哉 文化句帖
文化4年
1807
45
56 春風に箸を掴んで寝る子哉 文化句帖
57 いざゝらば死ゲイコせん花の陰 文化句帖
文化5年
1808
46
58 ちる花にはにかみとけぬ娘哉 文化句帖
59 白魚のどつと生るゝおぼろ哉 文化句帖
60 貌ぬらすひた\/水や青芒
草津道の記
61 名月の御覧の通り屑家也
日記断篇
62 一村はかたりともせぬ日永哉
文化六年句日記
文化6年
1809
47
63 蝶とぶや此世に望みないやうに
文化句帖補遺
64 身の上の鐘としりつゝ夕涼
文化六年句日記
65 サホ姫のばりやこぼしてさく菫 七番日記 文化7年 1810 48
66 花の散る拍子に急ぐ小鮎哉 七番日記
67 蛤の芥を吐する月よかな 七番日記
68 艸そよ\/簾のそより\/哉 七番日記
69 斯う居るも皆がい骨ぞ夕涼 七番日記
70 生て居るばかりぞ我とけしの花 七番日記
71 露の世の露の中にてけんくわ哉 七番日記
72 白露にまぎれ込んだる我家哉 七番日記
73 行秋をぶらりと大の男哉 七番日記
74 吉原のうしろ見よとやちる木の葉 七番日記
75 わらの火のへら\/雪はふりにけり 七番日記
76 玉霰夜タカは月に帰るめり 七番日記
77 むつましや生れかはらばのべの蝶 七番日記 文化8年 1811 49
78 蝶とぶやしなのゝのおくの艸履道 七番日記
79 赤馬の鼻で吹けり雀の子 七番日記
80 月花や四十九年のむだ歩き 七番日記
81 ゆさ\/と春が行くぞよのべの艸 七番日記
82 子ありてや橋の乞食もよぶ蛍 七番日記
83 白露にざぶとふみ込む烏哉 七番日記
84 婆々どのが酒呑に行く月よ哉 七番日記
85 生あつい月がちら\/野分哉 七番日記
86 春立つや菰もかぶらず五十年 七番日記 文化9年 1812 50
87 うつくしや雲雀の鳴し迹の空 七番日記
88 松蔭に寝てくふ六十州かな 七番日記
89 陽炎にめしを埋る烏哉 七番日記
90 どか\/と花の上なる馬ふん哉 七番日記
91 糞汲が蝶にまぶれて仕廻けり 七番日記
92 ついそこの二文渡しや春の月 七番日記
93 なの花のとつぱづれ也ふじの山 七番日記
94 花げしのふはつくような前歯哉 七番日記
95 しんとして青田も見ゆる簾かな 七番日記
96 亡母や海見る度に見る度に 七番日記
97 粽とく二階も見ゆる角田川 七番日記
98 いざいなん江戸は涼みもむつかしき 七番日記
99 涼風に月をも添て五文哉 七番日記
100 三ケ月とそりがあふやら時鳥 七番日記
101 そば時や月のしなのゝの善光寺 七番日記
102 雁ごや\/おれが噂を致す哉 七番日記
103 是がまあつひの栖か雪五尺 七番日記
104 春雨や喰れ残りの鴨が鳴 七番日記 文化10年 1813 51
105 臼ほどの月が出たとや時鳥 七番日記
106 短夜やくねり盛の女郎花 七番日記
107 山艸に目をはじかれな蝸牛 七番日記
108 卯の花や伏見へ通ふ犬の道 七番日記
109 大の字に寝て涼しさよ淋しさよ 七番日記
110 菫咲く川をとび越ス美人哉 七番日記
111 下々も下々下々の下国の涼しさよ 七番日記
112 人来たら蛙となれよ冷し瓜 七番日記
113 投出した足の先なり雲の峰 七番日記
114 とうふ屋が来る昼皃が咲にけり 七番日記
115 一吹の風も身になる我家哉 七番日記
116 山里は汁の中迄名月ぞ 七番日記
117 うつくしやしやうじの穴の天の川 七番日記
118 エイヤッと活きた所が秋の暮 七番日記
119 あの月をとつてくれろと泣子哉 七番日記
120 裸児と烏とさわぐ野分哉 七番日記
121 あつさりと春は来にけり浅黄空 七番日記 文化11年 1814 52
122 雪とけて村一ぱいの子ども哉 七番日記
123 花菫がむしゃら犬に寝られけり 七番日記
124 一星見つけたやうにきじの鳴 七番日記
125 我と来て遊ぶや親のない雀 成美評句稿
126 蠅一ツ打つてはなむあびだ仏哉 七番日記
127 本町をぶらり\/と蛍哉 七番日記
128 寝た犬にふはとかぶさる一葉哉 七番日記
129 大根引大根で道を教へけり 七番日記
130 ねはん像銭見ておはす皃もあり 七番日記 文化12年 1815 53
131 嗅で見てよしにする也猫の恋 七番日記
132 屁くらべや夕皃棚の下涼み 七番日記
133 妹が子やじくねた形りでよぶ蛍 七番日記
134 涼風の曲りくねって来りけり 七番日記
135 むさしのや野屎の伽に鳴く雲雀 七番日記 文化13年 1816 54
136 なの花の中を浅間のけぶり哉 七番日記
137 わか草に笠投やりて入る湯哉 七番日記
138 痩蛙まけるな一茶是に有り 七番日記
139 たのもしやてんつるてんの初袷 七番日記
140 瓜西瓜ねん\/ころり\/哉 七番日記
141 わんぱくや縛れながらよぶ蛍 七番日記
142 リン\/と凧上りけり青田原 七番日記
143 形代に虱おぶせて流しけり 七番日記
144 寝返りをするぞそこのけ蛬 七番日記
145 ふしぎ也生れた家でけふの月 七番日記
146 茹栗や胡座巧者なちいさい子 七番日記
147 しなのぢやそばの白さもぞっとする 七番日記 文化14年 1817 55
148 山焼くや夜はうつくしきしなの川 七番日記 文政元年 1818 56
149 うす墨を流した空や時鳥 七番日記
150 秋風や小さい声の新乞食 七番日記
151 闇夜のはつ雪らしやボンの凹 七番日記
152 這へ笑へ二になるぞけさからは 七番日記
153 目出度さもちう位也おらが春 おらが春 文政二年 1819 57
154 山の月花ぬす人をてらし給ぶ 八番日記
155 長閑さや浅間のけぶり昼の月 八番日記
156 ざく\/と雪かき交ぜて田打哉 八番日記
157 出代の市にさらすや五十顔 八番日記
158 雀の子そこのけ\/御馬が通る 八番日記
159 戸口から青水な月の月夜哉 八番日記
160 手をすりて蚊屋の小すみを借りにけり 八番日記
161 萍の花からのらんあの雲へ 八番日記
162 蟻の道雲の峰よりつゞきけり 八番日記
163 母馬が番して呑す清水哉 八番日記
164 なでしこやまゝはゝ木々の日陰花 おらが春
165 古里は蠅すら人をさしにけり 八番日記
166 子宝がきやら\/笑ふ榾火哉 おらが春
167 木がらしや廿四文の遊女小屋 八番日記
168 暑夜の荷と荷の間に寝たりけり 八番日記
169 椋鳥と人に呼るゝ寒哉 八番日記
170 ともかくもあなた任せの年の暮 おらが春
171 春立や二軒つなぎの片住居 八番日記 文政三年 1820 58
172 孤の我は光らぬ蛍かな 八番日記
173 歩きながらに傘ほせばほとゝぎす 八番日記
174 陽炎や目につきまとふわらひ顔 真蹟 文政四年 1821 59
175 田楽のみそにくつゝく桜哉 八番日記
176 蝶見よや親子三人寝てくらす 八番日記
177 やれ打つな蠅が手をすり足をする 梅塵八番
178 踊から直に朝草かりにけり 八番日記
179 汁の実の足しに咲けり菊の花 梅塵八番
180 秋風にふいとむせたる峠かな 八番日記
181 鼻先にちゑぶらさげて扇かな 文政句帖 文政五年 1822 60
182 春立つや愚の上にまた愚にかへる 文政句帖 文政六年 1823 61
183 人誹る会が立つなり冬篭 文政句帖
184 梅咲くや手垢に光るなで仏 文政句帖
185 寝せつけし子のせんだくや夏の月 文政句帖
186 陽炎やそば屋が前の箸の山 文政句帖
187 門の蝶子が這えばとびはへばとぶ 希杖本句集
188 牢屋から出たり入たり雀の子 文政句帖
189 あこが手に書て貰ふや星の歌 文政句帖
190 僧になる子のうつくしやけしの花 文政句帖 文政七年 1824 62
191 とがもない艸つみ切るや負け角力 文政句帖
192 来る人が道つける也門の雪 文政句帖
193 朝皃に涼しくくふやひとり飯 文政句帖
194 山寺は碁の秋里は麦の秋 文政句帖 文政八年 1825 63
195 御仏や生るゝまねに銭が降る 文政句帖
196 けし提げてケン嘩の中を通りけり 文政句帖
197 蚤焼て日和占う山家哉 文政句帖
198 団扇の柄なめるを乳のかはり哉 文政句帖
199 淋しさに飯をくふなり秋の風 文政句帖
200 うつくしや年暮きりし夜の空 文政句帖
201 やけ土のほかり\/や蚤さはぐ 書簡 文政十年 1827 65
202 秋風やむしりたがりし赤い花 おらが春 文政二年 1819 57
203 蝉なくやつく\〃/赤い風車 八番日記 文政二年 1819 57
204 花の影寝まじ未来が恐ろしき 句帖写 文政十年 1827 65

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