金子兜太選 海程秀句  田中空音鑑賞

今日の観賞 2017年 2月 26日 (日)

「海程」530号(2017年2・3月号)

2006年11月20日〜
パソコンに無い旧字体は新字体で代用しています

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鑑賞日 2017/2/26
梨むくや冷えてしんみり夜の二人
鈴木修一 秋田

 人はいろいろな人間関係の中で生きていかなければならない。それがあらゆる苦楽の原因であるが、それが生きるということなのであろう。そして煎じ詰めればあらゆる人間関係は二人の関係が基本である。自分の目の前に居る一人と上手くやることが基本である。だから婚姻制度においては一婦一夫制が一番シンプルな制度ということになる。この句における二人が夫婦であるかどうかは書かれてはいないが、夫婦であると考えると理解しやすいものはある。とにかく人間関係の基本である「二人」の一場面が書かれているのであるが、この二人、切っても切れないと互いに思っている雰囲気はある。


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鑑賞日 2017/2/26
鶸や鶲や朝のなごりの椅子たたむ
田口満代子 千葉

 気持ちのいい秋のある朝、庭先に椅子を出して紅茶などを楽しんでいる。庭の木々に鶸や鶲がやってきて遊んでいる。紅茶の香り、小鳥達との会話、まるで生きてあることが祝福されているようなひと時である。しかしあらゆる時間は過ぎ去り次にやることが待っている。名残りの心で椅子をたたんでいる、というような場面が思い浮んだ。優雅なる生の味わいの句とでも言えようか。



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